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前回、前々回と、深く考察しようとすればするほどフォーカスのボケまくった感想になって、
スンマセンでした。やっぱオレには他サイトみたいなまともな感想は無理ね。ウン。
●今週のプリ伍轟々 最終回
第48話『未来へ!永遠不滅のプリキュア5!』
「打ち倒す」ことから「与える」ことへ。
ジャアクキング、ゴーヤーンという絶望の壁をぶち破って大切な人との日常を取り戻した先々代、先代の最終回とは別の着地点を持ったのが、5シリーズの最終回ではないでしょうか。
一年目のラスボス、デスパライアには希望を与え、
二年目のラスボス、館長には愛を与えた。うん、問答無用で叩き込……否、与えたね。
『プリキュア・レインボーローズエクスプロージョン』が邪悪な魂を浄化(消化?)する必殺技ならば、
この最終回で使用した『プリキュア・ミルキィローズ・フローラルエクスプロージョン』は敵を無限の愛で抱擁する必殺技だったのだと思います。別名、愛のベアハッグ。
「わたしたちが力を合わせれば……出来ないことは無い!!」
絶望を前に立ち上がるプリキュア。彼女たちの抵抗を価値無きものとして捉える館長は「愚かなり!」と断ずる。
巻き上がる煙塵を抜け、高速飛翔する五色のスーパープリキュア。
館長の放った衝撃砲をスーパーミントのエメラルドソーサーが防ぎきる。
強襲に転じたプリキュアたちが、飛翔能力を駆使した3次元全方位からの連携攻撃を仕掛ける。…が、その攻撃が届かない。
プリキュアたちの攻撃するタイミングに合わせて、わずかな誤差も無く館長の周囲に自動展開される闇のシールドが、嘲笑うようにプリキュアたち全ての攻撃を防ぎきる。
―― 児戯。
そう断じた館長が大気を爆散させ、プリキュアたち全員に叩きつけた。
地上に落下寸前、力を振り絞って再飛翔するプリキュアたち。だが、館長の放つ衝撃砲によって大地へと叩きつけられる。
さらに、トドメを刺す怒涛のフィーバーアタック。無数のホシイナーボールがクレーターを穿ち、プリキュアを生き埋めにする。
プリキュアたちの惨めな敗北を目の当たりにした館長は、彼女たちを「もはや何の価値も無い」と処刑しようとするが……。
「フローラは、あんたに一粒の命の無限の可能性を知ってほしかっただけロプ!」
シロップの叫びも戯言にしか聞こえない。
「タネは、育てることで美しい花も咲かせるし、その実は人々の命を支えるナツ!」
「花が咲いたら奪えばいい…。実が付いたら、また奪うまでだ」
「ちがうココっ! 奪うばかりでは、何も生み出せないココ!」
「生み出す必要はない。奪ったものを永遠に留める事が出来ればそれでいい」
館長の論理に一切の妥協点は存在しない。
ミルキィローズの奇襲にも慌てることなく、ホーミングホシイナーボールで迎撃。プリキュアたちと同様、大地にめり込ませてしまう。
フローラが奪われ、全てが終わる寸前、
「メエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッッッ!!!!」
突然メルポが大量の手紙を吐き出した。
うつらうつらしていたフローラがその声に驚いて目を覚まし、「うるせえッ!」とメルポを蹴り落とす。
その手紙の一枚を手にしたフローラが、目を見張った。
「これは……、世界中の生きとし生けるものからの私宛てのファンレター!!」
数え切れぬほどファンレターがフローラの周りに舞い散る。まるで祝福の花吹雪のように。
その中で、彼女が立ち上がる。
館長が静かに問うた。
「なぜ笑う……」
心からの微笑みに、フローラが答えを乗せた。
「嬉しいのです…。みんなが応援してくれるから…頑張れるのです」
皆の応援ある限り負けない。それに今まで寝ていた分、フローラには元気が有り余っていた。ここからはスーパーフローラタイム!
「みんなありがとう! 番組の最後を飾る奇跡の乙女
シャイニングフローラッッ!!!!」
「わたしたちの立場はッ!?」と叫ぶプリキュアたちは完全に無視。
館長が闇の剣を手の中に生む。
「応援? そんなもの腹の足しにもならん!!」
フローラもまた手の中に薔薇の刀を生み出して答えた。
「スターライトムラマサ…、みんなの願いを受けて血に飢えています…」
キュアドリームはフローラを完全に無視することにした。
価値なんてわからない。でも、それは大切な命。
拾ったタネを手に、館長と真正面から向き合う。
「わたしたちは、このタネに託された想いを受け取ったの。たくさんの想いが、この一粒の命に込められているの」
もし、館長にこのタネを育てる気持ちがあったならば……
「こんな争い……しなくてすんだのにッッ!!」
「わかったようなことを言うなあああっ!」
館長が爆裂する衝撃波をドリームへと向けて放つ。その攻撃を受けとめたのは、スーパーミントのエメラルドソーサー。
「わたしたちの希望を消させはしない!」
次々と飛んでくるスーパープリキュアたちがその横に並ぶ。
「奪う事しか頭にないあなたには、わからないだろうけど!」
「未来の輝き、未来の美しさ!」
「一粒のタネが持つ無限の可能性!」
「どれもわたしたちの大切な宝物なの!」
一人加わるごとに、シールドが大きく成長してゆく。五色の輝きが壮麗に咲いた。
さらにミルキィローズも飛んできて、いらん事しそうなフローラを後ろから羽交い絞めにする。
「あなたの勝手にはさせない!」
館長がその光のシールドに向かって闇の力を最大爆発させるが、
無傷で突き抜けてくるプリキュア5とミルキィローズ。
館長の展開させたシールドへ攻撃を集中させ、気合でぶち破る!
とっさに繰り出したホーミングホシイナーボールの乱射を、高速で回避し、拳と蹴りで迎撃するプリキュア5。
そしてドリームとローズの同時強襲。二つの拳がついに館長の身体を捉える!
「バカな、真の姿の私に触れるとは……ッッ!」
胸のホシイナーボールを放出し、急速増大する重力圧でプリキュアたちを大地に叩きつける。
やはり強い。全ての抵抗は館長の前には無駄なのか?
フローラが隠し持っていた切り札を使うときが来た。
「こうなったら、ガイアークから貰ったこのビックリウムエナジーで!」
サンギョーカクメーイ!!
突如巨大化して現れたフローラの姿に恐れおののく館長。
「なんだ……これは……プリキュアが育てたものだというのか……」
違う違う。なんでやねん。
「こんなもの、今すぐ消してやる!!」
サイコガンダム対ザクだよ、それは。無謀すぎる。
「な、なんという力だーーー」
ほらな。
「フローラッ、あの時私がタネを受け取っていたら、私はキュアローズガーデンに受け入れられていたというのか!?」
「もはや遅い」
ぷちっ。
館長死亡。
限りない光の中で、館長はなお己の価値観だけに囚われていた。全ての愛を拒み、全ての命を否定する。
けれども、鎧の上に飛び散った、たった一粒の涙……それに込められた想いだけは拒めなかった。
「アナコンディ……」
館長の中に芽生えた『心』。そこに注がれた一滴。
たった一粒だけの、とてもとても小さな愛だとしても、館長にとって、それは ―― 。
館長を倒した今、残る敵はフローラただ一人!
プリキュアたちが全ての力をぶつける時が来た。
「希望の赤い薔薇っ!」
「奇跡の青い薔薇ッ!」
伝説の力を今ひとつに……ッッ!!
「プリキュア・ミルキィローズ・フローラルエクスプロージョン!!」
光り輝くタネが急成長しながらフローラへと迫る。
「お前たちがいくら力を合わせようとも、私には及ばんッ!」
けれど、プリキュアたちがなおも力を振り絞る。赤と青、二つの薔薇の力が大輪の花を咲かせ、フローラを圧倒する。
「ぐわあああああああっっっ! 負けたああああっっっ!」
ついにフローラの手からキュアローズガーデンを解放する事に成功したプリキュア5。
フローラは、夢原のぞみに最後の願いを託した。
「夢原のぞみさん」
「はいっ」
「私の代わりに、世界中の生きとし生けるものから届いたファンレター全部に返事を書いてくれませんか?」
「えええええええっっ!!?」
「お別れの時が来たようです…。私はこれから九つの世界を回り、全てのライダーの力を手に入れなくては……」
「フローラさんて何者ッ!?」
フローラの姿は宙に浮かび、静かに消えていった…………。
そして……
プルルルル…ガチャ。
「ハイ、なんでもおまかせ『ブンビーカンパニー』、えっ、ファンレターの返信の代筆ですか? はいはい喜んでっ!」
一粒の命は、無限の可能性を内包する ――― 。
一粒の命は、無限の希望を内包する ――― 。
一粒の命は、無限の物語を内包する ――― 。
そして、一粒の命によって、無限の夢を与えられる事もある ――― 。
彼女たちの育てる"未来"は、どのような輝きに満ちているのだろうか。
のぞみ「よーっし、絶−っ対ステキな花を咲かせるぞぉ!」
全員で「けってーーーーっっい!!!」
(プリ伍轟々・おわり) |
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●今週のプリ伍轟々
第47話『気持ちをひとつ!青いバラの奇跡!』
もはやフローラへと伸びる館長の魔の手を止める者無し……!
キュアローズガーデンに破滅の時が訪れる……。
その頃。
「さてと……プリキュアの様子でも見に行こうか」
エターナルにてブンビーさんが動きを見せる……。
石化されたプリキュアたちを前に為すすべのないミルキィローズとシロップ。
しかし、プリキュアの『心』が手紙となってシロップの手に届いた時、
運び屋シロップの<仕事>が始まった。
彼の運び屋人生においても、今回ような<仕事>は初めてだったでしょう。
シロップの仕事、それは自分の『心』をプリキュアたちへ運び届けること。
「冷静でいながら、実はとっても熱い気持ちを持っているかれんは、すごく頼りになるロプ。これからも、知性と勇気でみんなを支えてほしいロプ」
「こまちの書くお話は、どんな登場人物にも温かい想いが込められていたロプ。心安らぐお話、シロップはたくさん読みたいロプ」
「うらら、女優を目指して、ツライ時も悲しい時も、みんなの前ではじける笑顔を絶やさないうららに、シロップはいっつも励まされていたロプ」
「シロップは知ってるロプ。りんは、部活も家の手伝いもがんばって、その上仲間に気を配って、夢に向かって情熱を持ち続ける素晴らしい人ロプ」
「のぞみ…、全ての始まりはのぞみロプ。シロップを最初に信じてくれたのはのぞみロプ。希望を持ち続け…諦めない気持ち…、みんなを明るく照らすのぞみの笑顔が、シロップは大好きロプ」
だからキュアローズガーデンへ一緒に行きたい ――― 。
その『心』を糧に咲く奇跡の青いバラ。
しかし、プリキュアは元の姿に戻らなかった。
バラの種がシロップの『心』で花開いたように、プリキュアたちもまた、青いバラの放つ光に乗って届いた『心』により、さらに美しく、強く生まれ変わった。
それぞれの色合いで背に輝く蝶の翅(はね)。
劇場版スーパープリキュアGoGo.ver、テレビ初降臨。
そして、ブンビーさん。
「オマエらとずーっとやりあっている内に感じたんだよ。なんというか…そのぉ…ひたむきさというか、この組織に欠けている何かをね。
早く行きたまえ。グズグズしている時ではないだろう」
「あっ、…ああ、私もついていこうか」
「ブンビーさん、ありがとう」
「…早く行け」
届いた『心』に感謝の言葉と笑顔を返すドリーム。慣れないやり取りに、照れをにじませて言葉を返すブンビーさん。
プリキュア5の二年間で一番感動したシーンでした。
そして、シーンは変わってキュアローズガーデン。
「ふははははっ、やれるもんならやってみやがれココっ!」
「だが良く狙うナツ。下手すると、お前の欲しがっているこのフローラが消し飛ぶナツ!」
「むううっ…」(by館長)
フローラを盾にして、その背後から館長を挑発する二匹。立派な卑怯者です。
電撃を放つ館長。「こなくそぉぉぉっ!」と必死でバリアを張るフローラ。背後でバラの花をモシャモシャ咀嚼している、実はベジタリアンな二匹。
ドカーン! ドゴーン!
「死んでたまるかこんちくしょおおおっ!」(byフローラ)
「マヨネーズかけるココ」「うめーナツうめーナツ」
ああ… 命が消えてゆく……
「遊びはもう終わりだ。価値無きモノは消えよ!」
フローラたちに向かって、ダークマターボムが投げつけられる。だが……。
「プリキュア・シューティングスター!!」
まさに光閃。ダークマターボムを射貫き、一瞬で破壊する。
いまや空を制する翅を得た五人の伝説の戦士。
「フローラさん、あたしたち、来たよ」
「はい、待っていました。こいつら(ココナッツ)連れて帰って!!」
「貴様たちに何が ―― 」
余裕に満ちた館長の態度を一瞬で粉砕するドリームの超高速の一撃。
「もう誰にも負けない!」と繰り出した拳が、館長を空高く打ち上げる。
空に向かって舞い上がる火球が、館長の身体の脇を猛スピードですり抜ける。さらなる上空で待つルージュのもとへ ――― 。
足裏で火球をキャッチしたルージュが、それを渾身の蹴りで館長へと叩きつける。
「プリキュア・ファイヤーストライク!!」
直撃を受け、炎に呑まれながら落下する館長。その身体を、追撃の光鎖が絡めとる。
「プリキュア・プリズムチェーン!!」
館長を光鎖で拘束したまま、地上へとレモネードが急降下加速。小さな体に似合わぬ強靭な膂力で館長を大地に叩きつける。
「プリキュア・サファイアアロー!!」
岩をも撃ち貫く水流の矢がドドドドドドドッ ――― と重機関銃のごとく、館長に集中弾雨を浴びせる。
「プリキュア・エメラルドソーサー!!」
極限にまで威力を高められた緑の光輪は、もはや大地ごと叩き割る巨大なギロチンであり、それが容赦なく館長へと直撃する。
しかし、それでもなお一連の攻撃は館長の鎧にヒビを入れただけに過ぎない!?
ついに真の姿を解放する館長。
「プリキュアの伝説、今ここで終止符を打ってやる」
プリキュアの超高速の動きを上回る、さらなる超高速を以ってプリキュアたちを翻弄する館長。プリキュア側は攻撃を当てるどころか、防御さえ出来ず。
一瞬の形勢逆転が意味するものは、圧倒的な力の差だ。
「キュアローズガーデン……またの名を命の庭、それを消すとバラが司っていた命が失われる」
自分にとって価値の無いモノならば……。キュアローズガーデンを炎で包み、地球を死の星へと変えてしまう館長。
絶望の瞬間を前に、ダメージを負ったプリキュアたちは立ち上がることかなわず。
しかしプリキュアは永遠不滅!
次回、最終回にて館長とのファイナルバトルが待つッッ!! |
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今回の三連休は、ギレルモ・デル・トロ映画デーという事に勝手にして
『ヘルボーイ2 黄金軍団』と『永遠の子供たち』を見てきました。
エルフの王子がメイクの薄いクラウザー様(DMC)に見えて仕方なかったヘル坊はともかく、
『永遠の子供たち』のほうはクライマックスで「クソやられた!」と思った。
この映画、
ジグソウ(SAWシリーズ)の仕掛けたゲームのように根性が悪く、そして完璧だった。
映画好きの人がいたら薦めてやりたい。
ちなみに、この映画はホラーではなく、『パンズ・ラビリンス』と同じダークファンタジーです。
一言で紹介するとグロ優しい映画。
●今週のプリ伍轟々
第46話『絶体絶命!没収されたプリキュア5!』
ついに開かれたキュアローズガーデンの扉。そして激戦開幕。
今回のホシイナーは、第31話『ミルキィローズ新たなる力』でプリキュアに辛苦を舐めさせた雷龍ホシイナー。自分の日記(9/15)によれば、サファイアアローを直撃させてもノーダメージとのこと。
対戦カードは、プリキュア5vs雷龍ホシイナー、ミルキィローズvsアナコンディと、
第31話の再現です。
まずはプリキュア5が連携を活かした速攻で、雷龍ホシイナーをアナコンディの背後の足場に叩きつける。しかし、アナコンディ、冷然とした態度を微塵も崩しません。
自分の前に立つミルキィローズ以外は全く眼中になし。
今までの幹部とは違う強者の風格です。
「残念だけど、ゆっくりあなたの相手をしているヒマはないの。……本気で行くわよ」
白兵戦闘に特化した魔人の姿に移行。胸のふくらみを強調したセクシースーツで、大人の女の魅力もフルスロットルです。
前座抜きで、一瞬でぶつかり合う二つの拳。
継続中の雷龍戦は、プリキュア側がかなり不利。しかし、ミルキィローズに助けに行く余裕はありません。
ローズが必殺を込めて繰り出す拳の連打を軽々と見切るアナコンディ。こちらには軽口を叩く余裕さえあります。
刃のように鋭い回し蹴りを、しなやかに肢体をそらして空振らせ、大技直後の隙を突いて高速のカウンターパンチ。
吹き飛ばされたローズは、受身すら取れずに背中から落下。しかし、精神力で立ち上がる。
全てを踏みにじるエターナルのやり方が許せないローズ。全てを踏みにじってでも館長に振り向いてもらいたいアナコンディ。
激戦続行。
「ミルキィローズに力を!!」
ナッツがミルキィミラーを招喚。力の出し惜しみは一切無用、全力必殺の構えを崩しません。
そして、避けようともしないアナコンディにメタルブリザードが直撃!!
煌く何億という極小の花刃が全方位からアナコンディを斬り削ろうとする……が、それに対し、全身から闘気を噴き上げて、メタルブリザードを逆に一瞬で消滅。
一気に間合いを詰めラッシュでローズの防御を崩し、空中での回転速度を加えた神雷の蹴りが炸裂。蹴りの威力と共に、何億ボルトという電圧をローズに叩き付けます。
散りゆく煌く薔薇の残滓を背に、たまらず崩れ落ちるミルキィローズ。完全に敗北を喫します。
雷龍戦で不利な展開を続けるプリキュア5ですが、ここでついに
アクア目覚める。
そうですね、そういえばこの人、知性担当でした。いままで戦闘では『殴っときゃええねん、蹴っときゃええねん』みたいな人だったのですっかり忘れてましたが。
怪鳥形態のシロップに全員搭乗させることで、まずは雷龍に匹敵する空中機動力を確保です。
ハイスピードで空を駆けて逃げに徹しながら、雷龍をとことん振り回し、そして、一瞬の不意をついて上空からアナコンディを奇襲!
「ふっ、無駄な事を」
しかし、それは完全にアナコンディの予測範囲内。憫笑を口元にかすめ、対空迎撃の黒蛇を放ちます。
「今よっ!」
しかし、それこそが完全にアクアの予測範囲内。狙いどおりでした。
攻撃が到達する直前で、シロップが省エネモードの姿に戻り、次々と攻撃空域から脱出するプリキュア5。
標的を消失した黒蛇の眼前に現れたのは、ハイスピードで逃げ回るシロップを追い続けていた雷龍。両者激突! アクアの知恵で見事に同士討ちを食らわせました。
ミルキィローズをも凌ぐアナコンディの攻撃を受け、さすがにダメージを負った雷龍に一気に勝負を決めに行く五人の戦士。
『ファイアーストライク』『プリズムチェーン』『エメラルドソーサー』『サファイアアロー』
次々と繰り出される4つの必殺技に加え、自らが砲弾となる『シューティングスター』
プリキュア5の総力攻撃が一つに溶け合い、威力相乗。雷龍ホシイナーを撃滅。
残るはアナコンディ一人。
ミルキィローズも立ち上がり、戦列に復帰します……が、ここで館長が動く。
いとも簡単にキュアローズガーデンの扉ごとプリキュアたちをエターナルの本拠地に転送。
最終回まで残りわずかということで、ストーリーもいよいよ佳境に入ってきました。
前回の巨大薔薇パックンを、なんと逃げ延びていたムカーディア。アナコンディが隠し持っていた手紙と共に、彼女の背信を館長に告発するも、直後「オマエなどいらぬ」とあっさり消滅。
……館長、マジでフローラ以外眼中に無しだな。
フローラから送られてきた手紙の中身は、薔薇の種。
おそらく、これはフローラからのいわゆる『蜘蛛の糸』(芥川龍之介)的なメッセージなのでしょうね。
本当に大切なもの自分の手で愛おしみながら育む。それは価値あるものを奪うことしか知らない館長にフローラが与えようとした救いの手段。
まだ確定できませんが、第24話でのシロップと館長のやり取りを見るに、何らかの形で館長はシロップにかかわっているようです。
(踏み潰しそうになった卵(中身はシロップ)を拾ったとか……?)
作中ではまだ語られてませんが、そこに、館長が救われるかもしれないという一縷の望みを見出したのでしょう。
だからこそシロップのためにも、手紙を送る事にしたのでしょう。
フローラがシロップに言った言葉、
「シロップ、大切なものは決して手放してはいけませんよ。大事なものほど、すぐに失くしてしまうものなのです」
これは館長へと届けたかった言葉なのかもしれません。
てゆーか、手紙は、
もしかしたら、フローラさんなりの暗殺手段なのかもしれませんが。
(大切なもの、大事なもの=館長暗殺の機会)
「チャンスは最大限に活かす。それが私の主義だ」(byフローラ)
シロップという鉄砲玉に持たせて送った薔薇の種。
フローラからの贈り物ということで、それを嬉々として育てる館長。
日当たりのいいところに置いて甲斐甲斐しく水をやり、手塩をかけて立派に育て、
そして、人の身長ほどまでに成長したところで、突如館長を襲い始める人食い薔薇。
「アナコンディ、私の手向けだ。館長と仲良く暮らすがいい」(byフローラ)
……つか、薔薇の種を送った頃にはまだアナ子さん死んでなかったっけ。まあいいや。
アナコンディの血を吐くような告白も館長には届かない。
おそらくは、館長は劇場版(お菓子の国のハッピーバースデー)のムシバーンに似た、
欲望だけに囚われて『心』と失くしてしまった存在なのではないでしょうか。
現役時代、強奪率100%を決して割らなかったであろうその手腕の『完璧さ』を心から崇拝し、
神格化するまでに到ったアナコンディの想いも、存在していない『心』へ届くことはありません。
たったの一度でもいいから自分のことを見てほしい……その想いのために命さえ削ったアナコンディに対し、館長の口から洩れた言葉は
「待っていろ、フローラ」でした。
『心』を持たないがゆえに、『心』を理解できない。だから、アナコンディが最後に何故自分の前に立ち塞がったのか、考えようという気も持てない。
自分の欲望の向かぬ全てのものを無価値と切り捨て、忠誠を尽くしてきたアナコンディをも簡単に消滅させてしまう。
館長は「こんな価値のないものを…」と薔薇の種の入った封筒を捨てます。
アナコンディの愛を踏みにじり、フローラの心は届かず、悲しいほど己の欲望に固執してキュアローズガーデンへ飛び立つ館長。
そして、再びシロップの手に戻ったフローラからの手紙。
運び屋シロップがかつてやり遂げられなかった仕事を完遂した時、すなわち、この手紙がムカーディアからではなくシロップから館長の手に渡った時、
館長にムシバーンのような終焉が訪れそう気がします。欲望から解放され、そして……。
残り二話。次回の予告で見せたプリキュアたちの姿は、まさかの劇場版スーパープリキュア。
アナコンディすら足元に及ばない最強の敵を前にファイナルバトルモード! |
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☆新春なぎほのSS『一月一日の冒険』
冬の夜空がとても綺麗に澄んでいて、そのぶん風が冷たかった。
幅広いアスファルトの道路に併走するコンクリートの石畳は氷のように冷たく、かつ風をさえぎってくれる家並みも途切れ途切れだ。
コンクリートの冷たさが、靴を通して足へと這い登ってくる。その身に吹き付ける風は容赦なく体温を奪っていく。
二人の少女が隣り合って歩く。まぶしかった不夜城めいた駅周辺を背後にし、続いてゆく道は暗く、長く。
なぎさが首に巻いていたマフラーを解いて、それをほのかの首に巻きつけた。ほのか自身もマフラーをしていたので、二重になる。首の周りがふわふわで、もこもこ。
「なぎさが寒くなっちゃうでしょ」
「アタシはいーの」
本当はすごく寒いけれど、なんでもないという表情を崩さない。ほのかと視線が合うと、ニッと軽く白い歯を見せて男の子みたいに笑ってみせる。でも、吐く息の白さまでは隠せない。
「……帰りましょう、なぎさ」
「えー、初日の出見るんじゃなかったの?」
「………………」
厚手のコートに身を包んだ二人が、言葉なく寒空の下立ち尽くす。ほのかが愁いを含んだ目線をじっと足元に落としている。
「……あのさ」
なぎさが何気ない口調を意識して切り出した。
「したくなかったら、そう言えばいいんだよ? アタシだって、無理にほのかを組み伏せてまでやりたいわけじゃないし……」
「組み伏せてたじゃない。おもいっきり」
思い出して、なぎさが「そうだっけ」と笑う。
たった数時間前の12月31日。こたつで眠ってしまいそうななぎさを、引っ張り出して寝室まで連れて行こうとするほのか。温かいこたつから離れたくなく、抵抗するなぎさ。
子供みたいなじゃれあいが始まり、そして…。
海へ初日の出を見にいきたい。脱がそうとしてくるなぎさを制して、ほのかが唐突にそんな事を言い出した。そそくさと身支度を整えたほのかに連れられて電車に乗り、なぎさの知らない駅で降りた。
それからもう30分近く、ただ歩き続けた。その足をようやく止めて、ほのかが、ぽつり、と洩らした。
「なぎさにされるのが嫌で逃げ出したわけじゃないの」
胸の上に手を置いて、ほのかが言葉を続ける。
「初日の出は口実。ただ火照りそうな身体を冷やしたかっただけ。……本当はね、この道が海に続いているかどうか、私も知らないの」
「………………」
なぎさは黙って聞き役に徹してくれた。ほのかが気恥ずかしそうに双眸を細め、ほんのりと頬を赤らめた。
「なぎさとするのは大好きだよ。こんなこと言うの恥ずかしいけど……お尻の穴いじられるのとかも慣れちゃったし、もっと過激なエッチも試してみたいと思う」
はにかんで、少しの間言葉を区切った。そしてしばらくしてから、静かな口調で言葉の続きをつづった。
「でも、女の子同士って、いくら頑張っても赤ちゃん……作れないよね」
「……ほしいんだ、ほのかは」
「うん。なぎさが種をくれて、私がお腹の中で育てて。二人が愛を溶け合わせて、大切な命を生み出すの」
胸に置かれていた手が、ゆっくりと腹部まで滑り落ちて止まった。
「なぎさは、私の全てを指と唇で求めてくれる。ベッドの中で、あんなに熱く溶かしてくれるのに……どれほど愛し合っても、私のここに赤ちゃんの鼓動が響くことはないの」
激しく燃えるような行為の最中でも、むなしさが胸をかすめるようになった。ただ、それが嫌だった。今夜みたいに、逃げ出してしまうほどに。
「さみしい? 赤ちゃんできないと」
「さみしいし、くやしい。神様に直訴したいくらい。私たちの愛を否定しないでって」
腹部を悲しげに一撫でしたその手の上に、なぎさの手の平が重ねられた。
「 ―― 行こうっ」
ほのかの手を握って、なぎさが優しく一歩を踏み出す。電灯の設置もまばらで、暗い道だった。
「初日の出、見にいこうよ」
「えっ、でも、この道は…………」
「海まで行けるかも知んないじゃん!」
ほのかが手を引かれて、足を一歩前に踏み出した。でも、次の一歩は自分から踏み出した。
「……うんっ、行ってみよう、なぎさ」
手を繋いで二人駆け足。抜きつ抜かれつを繰り返し、足音を楽しげにコンクリートの石畳に踊らせる。
「ほのかはさっ、ぼし…ぼしん何とかが強いんだね!」
「ぼし? ……戊辰戦争?」
「そうそうっ」
「じゃなくて、それを言うなら母性本能でしょっ。戊辰戦争は、鳥羽・伏見の戦いから始まって箱館戦争まで続いた新政府軍と旧幕府軍の戦争よ」
「あははっ」
二人が競争するみたいに石畳の上を駆ける。その足取りは奇妙なくらい軽かった。うっすら汗をかいてくると、そこからは汗冷えを警戒して、普通の速度で歩くように努めた。
「なぎさは、お父さんになりたい?」
「亭主関白させてくれるんだったらいいよ」
「いいわよ。あと、鍋奉行も任せてあげる」
「じゃあ、今日の晩御飯はお鍋にしようよっ!」
「おせち料理は?」
「お昼に全部食べる!」
自動販売機を見つけて、温かい飲み物で喉を潤しながら談笑する。
歩き続けて……歩き続けて……さすがに脚に疲労がたまってくる。二人ともだんだん口数が少なくなっていった。でも、足は止めない。
「日の出まで、あと何時間ぐらいかな?」
「まだ二時間もあるわ」
「休む?」
「ううん、歩きましょう、なぎさ」
ほのかが首に巻いていた二人分のマフラーを解いて、笑顔の裏に疲れを仕舞いこむ。
ほのかのほっそりとした脚には酷な距離だった。体育系のなぎさですら疲れを隠せない。
でも、潮の匂いを感じた。途端、二人は駆け出す。
「ほのか、海だよっ」
「漁港ね。ちょっと小さいけれど」
どっと疲れが出てきて、二人同時にへたり込む。そして、顔を見合わせて笑った。
「あはははっ、本当にあったね、海」
「うんっ」
近くには民家はなく、代わりに大きな倉庫が立ち並んでいるような場所。
突堤まで出て、静かに座って待ち続けた。身体を寄せ合い、波の音に耳を傾ける。
そして、まどろむ二人のまぶたを一年で最初の太陽の光が叩いた。
「初日の出……だよ、ほのか」
「ええ」
「ほのか、ぶちかましちゃえ」
笑って煽るなぎさに、とびっきりの笑顔を返してから、ほのかが、すくっ、と立ち上がった。大きく息を吸い、吐き、身体を慣らしてから、口に両手を添えて大声で叫んだ。
「神様のバカアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!」
真っ直ぐ太陽に向かって叫んだ。こんなに罰当たりな事をするのは初めてだった。でも、胸が軽くなったような気がした。
座ったままパチパチパチ…と拍手していたなぎさも立ち上がり、ほのかの隣に並ぶ。
「あけましておめでとう、ほのか。今年もよろしくね」
「こちらこそ。あけましておめでとう、……あなた」
最後の「あなた」は視線を伏せ気味にして、ちょっとモジモジしつつ言った。なんだか、新婚夫婦のいじらしさだ。そんなほのかを、なぎさが力強く抱き寄せる。
緩やかに輝きを増してゆく朝日の中、どこかから見ている神様に向けて、二人が熱いキスを交わしてみせた。女の子同士だって立派に愛しあえるんだという証明。
突堤に当たって『バッシャン』と跳ねた波しぶきが、二人の足にかかった。真冬の潮水の冷たさに、なぎさとほのかがキスを解いて、そこから飛びのいた。
波は幾度も突堤に当たって砕け、彼女たちの足元に波しぶきの雨を降らせた。
「神様が怒ってるよ。そういうことは家でやれってさ」
「ふふっ、嫉妬させちゃったかしら?」
いたずらっぽく微笑みあったあと、二人が朝日に背を向けて一目散に駆け出した。
●今週のプリ伍轟々
第45話『キュアローズガーデンの扉現る!』
げっ、こまちさん、また羊羹入れてる。ホットケーキなのに…。
ムカーディアさんとも今週でお別れです。
今回のホシイナーは、ゴールドリングホシイナー。
大メダル弾幕による掃射を、ドリーム・レモネード・ミントがケッテ(3機編隊)を組んで神風特攻。命を賭けた陽動戦です。
ルージュ、アクア本隊が地上から狙い撃つ。
しかし、ファイアーストライクは、ゴールドリングホシイナーがリング部分を超高速回転させて真っ向から迎撃。ノーダメージ。
サファイアアローが、余裕で観戦モードのムカーディアを射抜こうとするも、あっさり防御。
「まだまだ」
ムカーディアが指を鳴らすと、プリキュアの周りに散らばった大メダルが連鎖爆発!
まともに立てないほどのダメージです。
ドリームのピンチに間一髪、間に合ったローズ。しかし、ムカーディアの格闘スキルはローズをも上回るだと!?
シロップを締め上げて、記憶を引きずり出そうとするムカーディア。だが、それがいけなかった。フラフラの状態でムカーディアの腕を掴むドリーム。
「離しなさいっ、そんな状態で何を言って……がっ!?」
その身に湧きあがる怒りが、恐るべき握力を生み出していた。
「もうシロップを傷つけないでっ!」
腕の痛みに耐えかねて、空間転移で逃げ出すムカーディア。
「こうなったら、建物ごと国王たちも没収してやる! ホシイナー!」
大メダル爆撃の雨が降り注ぐ。しかし、怪鳥形態のシロップが、身を呈してナッツハウスを守り抜いた。
たとえ、記憶が戻っても大切なものを手放したりなんかしない。みんながいてくれる限り大丈夫。シロップから迷いが消えます。
本当の意味で、皆がキュアローズガーデンに行くための準備が整いました。
そして、アナコンディに暗躍により、レインボーローズに頭から食われてムカーディア消滅。
「困るんですよ。あの手紙を、館長に見せられては」
完全に黒幕モードに入ったアナコンディ。
上空からの突然の一撃は挨拶代わり。
冷笑を浮かべて、プリキュアたちを俯瞰する。
「扉を開けてくださって、ありがとうございます。プリキュアの皆さん」
かれんが「また邪魔をする気なの!?」と気色ばみますが、それは違います。
この場に居合わせた者全員を始末する気です。
「さあ、もはや報告書も不要になりました。私が全てにカタをつけて差し上げます。
フローラの息の根を止めることでね」
アナコンディが、どす黒く湧き上がる殺意を哄笑に変えて撒き散らす。
次回、絶体絶命フルスロットル!! 事実上のファイナルバトルかっ!? |
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<プリキュア昔話>
むかしむかし、ナッツハウスという小さな家での出来事。
「ごほっ、ごほっ」
「ココ様、ご無理をなさってはいけませんミル! シュークリームのおかゆを食べて静かに休んでいてくださいミル」
「うぅ、いつもすまないココ」
「ココ様、それは言わない約束ミル」
風邪を引いたココが、ゴホゴホとベッドの上で咳を洩らしている。この家の準お世話役であるミルクが「おいたわしや、ココ様」と心配そうに見つめていた。
今日は12月31日。
冬風がビュウビュウ吹いて、安普請のナッツハウスを揺らしていた。
「ちょっと行商に出てくるナツ」
ナッツはアクセサリー職人。自作のアクセサリーを売ることで、日々のわずかな糧を得ていた。
「寒いから気をつけるココ〜〜」
数時間後、街でアクセサリーを売り、少々の銭を稼いだナッツは、お正月用の餅を買って帰路についていた。
まだアクセサリーは五つ売れ残っていたが、天気予報で夕方頃から雪になると言っていたので早めに切り上げたのだ。
「……ナツ?」
ナッツが不思議そうな声を上げた。
道から少し外れた藪の中に埋もれるように、五尊の地蔵が仲良く並んでいた。元は綺麗に五色に塗りわけられていた色も随分と剥げてしまい、すっかりうらぶれていた。
「明日はお正月なのにかわいそうナツ。……そうナツ!」
ちょうどここに売れ残ったアクセサリーが五つある。
ナッツは一尊ずつ飾りつけを行い、ささやかながら五尊の地蔵に華を添えてやった。
「これで少しは見栄えも良くなったナツ」
ナッツハウスに戻ったナッツは、そのことをココとミルクに話した。
「いいことしたココ〜」「さすがナッツ様ミル」
小さなナッツハウスがほのぼのした空気に包まれていたその時、
つんざくような警報が鳴り響いた! ココナツミルクの表情に緊張が走る!
「ナッツハウス、防衛モードに移行ナツ!」
天井からせり出してきたレーダーに映る影は五つ。全てがこのナッツハウスを目指していた。
「もしかしたら、さっきの地蔵たちが恩返しに来たのかもしれないココ!」
「違いますミル! この強襲スピード、とうてい地蔵のものとは……弾幕の薄い左側が突破されたミル!」
ミルクの悲鳴が響き渡った。
12・7ミリの猛射を浴びながらも敵の陣形に崩れはない。一路、このナッツハウスを目指してくる。
「敵勢力、最終防衛ラインを突破! ナッツハウスまでの距離、200メートルミル!」
もはやナッツハウスに打つ手なし。
かくも簡単に防衛ラインを突破した相手に、各人の基本装備であるAK−47が通用するとも思えない。ココナツミルクは覚悟を決めた。
……そして数秒後、
ナッツハウスのドアがていねいにノックされた。
「ナツ?」
こわごわとナッツがドアを開けると、そこに立っていたのは五色の地蔵でした。
最初にココが言った通り、アクセサリーの恩返しに来たのです。
まず、知性の地蔵が、風邪を引いているココを診察してくれました。
「この薬を飲んで、ニ三日安静にしていれば治るわ」
「ありがとうココ!」
次に、安らぎの地蔵が自作の小説を読んでくれました。
「……というわけで、二人は幸せに暮らしました。おわりじゃないよ」
「おもしろかったミル!」
続いて、はじけるカレーの地蔵が、みんなのためにミニコンサートを開いてくれました。
「Yes! 裸足になってGoGo! 夢の島アーチをくぐって ―― ♪♪」
「ヒューヒューッ!」
そして、情熱の地蔵は、ナッツハウスのために新しいアクセサリーのデザインを考えてくれました。
「こんな感じだけど……どうかな?」
「すばらしいナツ!」
最後に、希望の地蔵は…………。
「あれ、どこにいったココ?」
勝手に冷蔵庫を開けて、シュークリームや豆大福を美味しそうに頬張っていました。
「ありがとうナツーーーっっ!」
シロップに乗って帰っていく地蔵たちに、見送るナッツたちがいつまでもいつまでも大きく手を振り続けた。
その手に、ふんわりとした冷たさがふれる。
「……雪ミル」
「さっ、冷えないうちに家に入るココ」
ドアを閉める前、もう一度外を覗いて、ナッツがしみじみとこぼした。
「来年も良い年だといいナツ…」
<キュア地蔵・おわり>
☆なかよし版プリ伍轟々の一年を振り返って……
ページ数の少なさと、出ない単行本でファンを泣くに泣かせたなかよし版プリ伍轟々も、
今月発売の2月号でめでたく大団円を迎えました。
第一話『プリキュア部 活動再開』
なんといっても八十円切手で手紙を送ろうとするのぞみはアホ可愛くて……
でもドリームに変身して、きりっ、と引き締めた表情はアニメ版をはるかに上回る凛々しさ。
第二話「でも…ドリームのおヘソかくれちゃいましたね」
ここでもひたすら凛々しいドリーム。男前です。ココとの関係修復。
第三話「お母さん やわらかくてあったかくて…… 大好きィ…」
扉で、のぞみのおヘソがっっっ!!
のぞみ、お母さんと朝からむにゃむにゃ。
第四話「ドリームはおヘソかくれちゃったのに なぜあの子はヘソ出しコスチュームなんでしょうか!?」
恋のライバル・ミルク華麗に登場!
第五話「猫ナイス!! どっから現れたか知らんケド……」
本当にどっから来たんだろうか? しかしこの猫、意外とイケメンだ。
のぞみvsくるみ恋の対決一回目。
「ナッツハウスの中心で愛を叫んで!」「あんなコトだってこんなコトだって!!」
第六話「おやつやオモチャの争奪戦なしに ぬくぬくと育った一人っ子のあたしには、この戦いはあまりにも過酷……」
のぞみvsくるみ恋の対決ニ回目はビーチバレーでした。
のぞみ&りんチーム、夫婦の絆で勝利!!
第七話「いいえ! くるわ くるわよ 三尺玉!!」
のぞみとくるみ、お互いを認め合う。ココナツ気絶。
第八話「カモさん カモ〜ン」
くるみがついにココの気持ちに気付いてしまい……
第九話「バッ…バカッ…… わたしだって………のぞみを!!」
のぞみとくるみ、告りあう。
そして、お互いの名を呼びながら『ぎゅううう』と抱き締めあう程の仲に。
第十話『ドリーム&ローズ 最強コンビの結成!?』
扉のデュアルローズ・エクスプロージョン、まさに今の二人の関係そのものですね。
くるみ、強力なライバルから一転、のぞみの恋の助っ人に。そして、最後の試練が始まる。
第拾壱話「こまちがは虫類平気な人でよかったわ」
オレ的には良くない。
トキメキフルバースト。ココがシビレッタのファーストキス(?)を奪う。
最終話「Yes!!」
目覚まし時計よりも早く起きるのぞみ。かれん、こまちのおひざの上で……。
最後のページはプリキュア部全員によるありったけの笑顔で!!
上北ふたご先生、本当にありがとうございました。
来年もよろしくなのです。 |
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