●今週のまほプリ
第50話『キュアップ・ラパパ!未来もいい日になあれ!!』
最終話である50話を見終わったあとの、この幸せな感じ。
この感じが『魔法つかいプリキュア!』なんだなぁと思った。
●マザーラパーパがかけた魔法
まほプリの世界観を語る上で、大事なのはコレかな。
物を浮かせる、水を凍らせる等の『魔法の効果』というエフェクトの奥底にあるモノ、
それは『想い』です。
幸せを欲張る(=独り占めする)のではなく、隣の人と分け与えあって、
そして、その隣の人のさらに隣にいる人へ……
そうやって大きな幸せの輪を作る。
『魔法の効果』とは、ぶっちゃけ、それ(大きな幸せの輪を作る)のお手伝いです。
(ちなみに、欲張る = 独占は、隣の誰かと繋がらない = 幸せの輪の途切れ、です)
マザーラパーパが倒れ際に、
魔法界とナシマホウ界が再び結ばれるようにと魔法をかけましたが、
その魔法の底にある『想い』は、両世界に暮らす皆の心に届いていたんでしょう。
マザーラパーパが両世界へ魔法をかけた時の優しい『想い』は、
それを受け取った者たちから、その次の世代へと受け継がれていきます。
モフルンというヌイグルミを製作した人の胸にある『想い』は、モフルンへと伝わり、
その『想い』によって芽生えたモフルンの心の中の『想い』は、
今度は、生まれたばかりのみらいへ。
両親・祖母、そしてモフルンの『想い』に触れて育ったみらいから、
マザーラパーパの後継となるはーちゃんへ……。どんどん繋がっていきます。
なるほど、
リコやはーちゃんから特に事情を聞くでもなく、
近所の人にお醤油を分けて上げる程度の気軽さで居候を認めてしまう朝日奈家とは、
不思議でも何でもなかったんですね。
マザーラパーパの、魔法という名の祝福を受けた世界は、
こんなにも『想い』にあふれて、あたたかい。
●リコの目標である立派な魔法つかい
みらいと、そしてはーちゃんやモフルンと手を繋いだからこそ
答えを見つけることが出来ました。
「立派な魔法って、人と人とを繋ぐもの」
繋がるためには、まず出逢わなければならない。
今まで話をしたことのなかった誰かと、
今まで知らなかった自分の一面と、
『出逢うこと』、そこから『繋がること』へと繋がり、そして幸せが生まれる。
なんとなくですが、リコの目指す魔法つかいのイメージが見えてきます。
一瞬で海を凍らせる、一瞬で朝を夜に変える……etc、
これらを実践できれば、確かに凄い魔法つかいだと言えます。
しかし、リコが目指すのは、魔法を幸せのために活かせる魔法つかい。
小さな魔法でも、正しい使い方を選択できれば、『繋がること』へのお手伝いとなれる。
たとえば、冷凍みかんを解凍する魔法。
魔法の効果としては小さいですが、でも、皆でおいしく食べたら幸せが生まれる。
それを皆に知ってもらえるような、そんな魔法の実践者(かつ教師)が、
リコが思い描く立派な魔法つかいではないだろうか。
●みらいという少女の目指す<未来>
かつて、みらいとリコが一緒にイチゴメロンパンを食べたベンチで
知り合ったばかりの幼女二人がひとつのイチゴメロンパンを半分こして食べてます。
そして、二人で笑顔に。
これが朝日奈みらいの目指す<未来>の答え。
●はーちゃんの目標
「ちょっくら宇宙の法則操作して、魔法界とナシマホウ界の距離縮めてみるわ」
えっ、ちょっ……
やだ、この神様コワイ(笑)
●キュアホイップ登場
次のシリーズのヒロインが最終回にお助け登場。
いや待て、ジュウオウジャーの世界から来たウサギのジューマンかも知れない。
なんにせよ、
『繋がる』がテーマの今作だからこそ起きたミラクル。
短い登場時間なのに、この子がどういうキャラなのかバッチリ印象付きました。
●チクルン
あー、うん、前回、カタツムリニアでこちらに来てましたけどねぇ。
つか、今、なんでそんな所におるの?というツッコミが……
しかも、ドクロムシー戦から、
まるでレギュラー陣のような振る舞いで、みらいたちのメンバーに加わってるし(笑)
●その他
一瞬とはいえ、映画キャラであるソルシエール、クマタまでもが登場。
クシィの復活は、まさか歯から本体が再生したのか?
闇の本にバックアップの魔法があって、スパルダがウッカリ発動させたのかもしれん。
もしくは、はーちゃんが魔法で届けたイチゴメロンパン……これが原因か?
(追記)
クシィの復活に関してですが、
オルーバが44話で、はーちゃんの過去の情報を掘り起こすために、
闇の魔法を使っていました。
「失われし過去よ、今甦り、現れたまえ」
……結果、はーちゃんたちは幼児化してしまいましたが。
擬似的に時間の逆行性を発現させるこの魔法を、
ドクロクシーの一部である歯(ドクロムシー)に使用することで
ドクロクシー以前の姿であるクシィの状態にまで戻せないだろうか?
スパルダは、オルーバとの会話でこの闇の魔法を知っていますし……。
もしくはヤモーがドクロムシーを目にして、
歓喜のあまり、ヤモリから人型進化をしたように、
冷凍みかんの美味しさに歓喜したショックで復活したとか……
もう何でもありの「ごった煮状態」の50話なら、こういう奇跡もありうるかもしれん……。
ああ、
語りたいことがたくさんありすぎる。
それぐらい好きになった回でしたが、時間が無いので省略です。
ああ、校長室が人外魔境に……
スパルダ、闇の本にどんだけ執着してるんだ……(笑)
前回、宇宙で魔法が解けて、レインボーキャリッジから元の姿に戻った冷凍みかん。
あのまま宇宙を漂い続けるのかと思ってましたが……
あっさりと地球に帰還。
……なんなんだ、この冷凍みかん……
ちょっと怖い。
まゆかな。
34話の初恋の味再び
●今週のまほプリ
第49話『さよなら…魔法つかい!奇跡の魔法よ、もう一度!』
「ば…ばかなッ! こ…このデウスマストが…、このデウスマストがァァァ〜〜〜ッ!!!!」
「てめーの敗因は…たったひとつだぜ……デウスマスト……
たったひとつの単純(シンプル)な答えだ……
――― 『てめーは冷凍みかんを舐めすぎた』」
一度目の視聴では気付かなかったけど、
レインボーキャリッジ、冷凍みかんに戻ってるんな。
ムホーとの闘いで重要な役目を果たしたレインボーキャリッジ = 冷凍みかん。
地球をバックに宇宙をゆっくり漂う、その姿……、
なんとも感慨深い……。
二度目の視聴で気付いた時、「お疲れ様でした」と言わんばかりの
しみじみとした感情が胸にあふれました。
冷凍みかんといえば、第31話のカタツムリニアのアレですね、
家族四人がそろった状態で初めて口にした冷凍みかんの美味しさの秘密。
「リコとはーちゃんとモフルンと、みんなと一緒に食べるからだよ」
みらいたちにとって、しあわせは最高の調味料ってワケですかね。
その象徴が、あのカタツムリニアで食べた冷凍みかんなのかも。
●ラストバトル
大塚「三塚ァァッ、Bパートの絵コンテは任せろや!」
三塚「オウッ! ほな、Aパートは燃え尽きる気で仕上げたるわ!」
一人では出来ないが、二人ならば出来た、この第49話。
なるほど、二人分のパワーだからこそのクオリティ。
キュアフェリーチェ・ラパーパスタイル ――― 正直予想はしてました……が、
デウスマストにドロップキック食らわせるとか、アグレッシブすぎて予測不可能。
もしかしたら、マザーラパーパ様もかつての闘いではコーナーによじ登って、
フライング・ニードロップをデウスマストに食らわせていたりしたかも知れません。
巨大化したフェリーチェのプレシャスブレスのカタパルト演出も良かった。
射出される赤い閃光 ――― ルビースタイルのミラクル・マジカル。
魔法つかいであるプリキュアの二人も、最後の大暴れ。
パワーの象徴であるスタイルが高速拳打で、巨大なデウスマストの攻撃を押し切ります。
さらに、サファイアスタイルで生み出した浄化フィールドにデウスマストを閉じ込め、
トパーズスタイルで生み出したジャイアント・モフルンでそれを押さえ込む。
デウスマストも切り札を出しますが、
しかし、ダイヤスタイルの二人が、
フェリーチェのパンチと共に、ダイヤモンド・エターナルを拳でぶち込む!
●「混沌よっ、あっちへ行きなさい!」
第1話の「キュアップ・ラパパ!怪物よ、あっちへ行きなさい!」を思い出します。
リコ一人では何も起こらなかったが、
みらいと二人だと【 魔法 】になった.。
今回は二人だけじゃない。
はーちゃんも、モフルンも、そして二つの世界の皆の気持ちがある。
宇宙級の敵でも、この【 魔法 】にはかないません。
つか、はーちゃん、追い打ちかけて仕留めやがった(笑)
●第23話の魔法の完成
別れの間際に、リコが『ずっと一緒の魔法』をかける。
確かに、四人の心は繋がってますが、
でも、この『家族』が生まれてから、まだ一年も経ってません。
早すぎる別れです。
表面上の納得の裏に、心の底で押し殺した「離れたくない」という気持ち。
このままでは、ハッピーエンドになりません。
●モフルン
猫塚は、
モフルンが優しいのは、みらいがずっと愛情を注ぎ続けたからだと考察していましたが、
そうじゃなかったのですね。
生まれたばかりのみらいが、初めて手を繋いだ相手がモフルンで、
その瞬間から、モフルンは、みらいを優しく見守っていた。
このマスコットキャラ、どんだけオレを泣かせる気だっ、コノヤロウ! 大好きだ!
●再び訪れた十六夜の夜
想いは繋がり、世界を越えて結ばれる。
今作で描かれてきた『魔法』の根底にあるものを考えれば
この再会は当然の帰結だったのかもしれません。
自分的にはプリキュア全シリースで最高のラストだわ、これ。
感動の量では、劇場版まほプリを越えてると思う。おそるべし、第49話!
やることはやりきったという感じなので、
次回、楽しく締めてほしいものです(笑)
●気になった点
今作では、みらい・リコ・はーちゃん・モフルンの四人の輪に焦点を合わせすぎた。
それゆえに、
魔法界・ナシマホウ界、二つの世界の危機という大きな舞台に上がる役者としては、
『背景(その役割を支える理由)』が薄いと感じました。
これがあくまで四人視点で、他の人々が出てこなければ問題ありませんが、
両世界の皆さん、校長の呼びかけに応え、
手を繋いでプリキュアを希望を託されていらっしゃる。
うーん、これをやるんだったら、やっぱり事前に掘り下げておかないと……。
具体的には、もっと多くサブキャラ回を作って、
四人の輪にもっと多くの手を差し込んで、輪を大きく広げるとかです。
この辺は、前シリーズのゴープリを見ていただけたら分かると思います。
物語のクライマックスである48話、49話で、それがきっちりと活きています。
あと、
妖精界のポジションがよう分からん。
はーちゃんの説明イベントのみで、役割を終わってしまった。
重要地であるにもかかわらず、
一回のイベントで通り過ぎて終わりとか……。勿体無いです。
最終バトルにも顔出さなかったし。
(ラストのカタツムリニアでは、チクルンいましたけど、来週出番あるのかな)
……気になった点はこれぐらいかな。
毎週日曜日の朝、、四人の家族感に心が潤う一年間でした。スタッフの皆様に感謝!
●今週のまほプリ
第48話『終わりなき混沌!デウスマストの世界!!』
まず前回、予想外だったのは、
魔法界・ナシマホウ界がひとつになったこと。
ある意味、みらいたちにとってのゴール地点ですが、そこは仮初の夢の地。
『終わりの入り口』でした。
自分としては、みらい・リコ・はーちゃん・モフルン、
四人が手を繋いで作った小さな輪の内側に、このシリーズの答えが生まれると、
そう思っていたのですが、ごめりん★ 違いました。
今までお互いの顔を見続けてきたからこそ、今は上を、未来に顔を向けられる。
例えるなら、
土に埋められた種は、すぐに芽を出さないが、それは止まっているわけじゃない。
変わらぬように見えても、それでも少しずつ育っているのです。
それが第1話から、この第48話までのお話。
まだ漠然とした未来を思うだけで、
具体的な夢も、進むべき道も見えていない彼女たちですが、
デウスマストという暗い夜を乗り越えた先で、
ようやく固い種の殻にヒビが入り、芽吹きが始まるんじゃないかと。……そう思います。
「どうなるかなんて、今は迷ってちゃダメ。取り戻さなくっちゃ!
わたしたちの……みんなの夕日!」
きれいな夕日の向こうには、大切な人の笑顔が待ってるから。
みんなと繋がってきたからこそ、『離別』を恐れずに立ち向かえる。
「迷ってちゃダメ」で、第4話補習編での「考えるより、動かなきゃ」を思い出しました。
みらいたちは、明日のための一歩を踏み出す。
●みらいたちとデウスマスト
両者では「ひとつになること」の意味が大きく違います。
デウスマストは、全てがひとつの「個」となること。他者という存在の否定。
「個」は「孤(一人ぼっち)」でもあります。
対して、
みらいたちは、たくさんの、色んなもの = 全てを繋いで、ひとつの「輪」を作りたい。
一つ一つ違ってるから少なからず衝突もあるけれど、
それでも、そんな誰かと手を繋ぐことが出来たら、それってすっごくワクワクもんだし。
●その他
みらいたちはともかく、状況を全然分かってない人々が、
校長の呼びかけをすんなりと受け入れているのが少し気になったりもした。
なんだろう、この唐突な手繋ぎ演出……。
そして、なんといってもコレ。
「あ、もしかして、もしかして、ドンドン花やピーカンみかんが育たなかったのって…」
「うん」
「う〜ん、絶対許さないんだから! 混沌め!」
「モフーッ!!」
「わたしたちで、デウスマストを……混沌を追い払おう!」
ヘタすると、デウスマスト(ラスボス)は本当に、
夏祭りの妨害や冷凍ミカンの供給停止を理由に倒されていたかもしれない。
みらいさんは、こういう部分ではホンマに本気を出してしまう女の子やで。
アニメージュ2月号によると、
来週はAパートの絵コンテが三塚雅人監督、Bパートが大塚隆史氏、
ダブル塚塚です。ワクワクもんですし!
●今週のまほプリ
第47話『それぞれの願い!明日はどっちだー?』
(追記)
奇蹟のような出逢いから始まった『変わらぬ日常』。
魔法つかいプリキュアの闘いは、それを守る(維持する)ためのものでした。
しかし、この47話で四人を取り巻く世界は大きく動こうとしています。
シリーズを通して紡ぎあげられてきた「ずっと一緒」という願いが揺らぎつつあります。
思えば、チクルンとモフルンの別れ、その後のモフルンの言葉は、
1月以降の展開の小さな先触れだったのかもしれません。
あと、残り3話です。
これまで大切に四人の日常を守り抜いてきた彼女たちだからこそ、
たとえ、どういう選択するにしても、
その選択には大きな意味があるのだと思います。
いわゆる、全て(1話以降〜)はこの瞬間のために ――― ってやつです。
(追記・終わり)
最後の日常回、……なのに見るのがキツイ。
何か、直視したくないものがヒシヒシと胸に押し寄せてくる感覚。
この一年、シリーズの方向性としては、みらいたちの成長ではなく、
みらい・リコ・はーちゃん・モフルン、
『四人の輪』という関係の熟成に焦点が当てられていました。
なんていうか、この四人、『垣根』が無いんですね。
ナシマホウ界人、魔法界人、妖精?、ヌイグルミ……。
みらいとリコは出身世界が違うし、はーちゃんは種族が違う。
モフルンに至っては、ヌイグルミなので無機物です。
こんなバラバラなのに、今の四人は、当たり前にひとつの家族なんです。
だ・か・ら・こ・そ、
最後のアレはヤバイ。非常にヤバイ。
デウスマスト降臨や眷族復活じゃなくて、そのあと。
魔法界とナシマホウ界がひとつに。
再び融合して、ひとつとなった世界。
これって、みらいたちが望んでいた『ずっと一緒にいられる日々』の具現ですが、
デウスマスト絡みですからねぇ。
このままウルトラハッピーで終われるはずもなかろう。
むしろ、その逆の予感がビンビンします。
プリキュアが最終的にデウスマストに勝利する。これは当たり前。
世界の危機も救済も、通過点です。
彼女たちが本当に立ち向かうべき問題は、シリーズ通してずっと変わっていません。
みらいたち『ひとつの家族』はどうなるのか?
みらいが初詣で願った「魔法界も、ナシマホウ界も、みんな一緒に笑顔に」が、
どういうカタチで結実するのか。
重い空気になりがちですが、
かなまゆが普通にデートしている光景に心が癒されました。
「ちゃんとあの言葉を覚えておけばよかったよ。何だったかな〜?」
「うーん、ホイップ? ララップ?」
「フリップ……? 思い出した! フリップフラッピング!」
……そして、ふたりは『ピュアイリュージョン』へ冒険に出る。
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