2006−2007・1月までの日記っぽいもの

2006年10月08日

●満と薫の華麗な日常 その三

(ストーリー)
満と薫、仲良く並んで座ってメロンパンを食べている。
はむはむとメロンパンを頬張る至福の瞬間。
しかし、彼女たちは戦士。平和な刻は仮初(かりそめ)に過ぎない。
『満、薫っ、嫌な気配がするメロ!』
緑の郷に忍び寄る、新たな邪悪。……見逃すわけにはいかない。
『プリキュアに変身するパン!』
満と薫はうなづき合って、お互いの手をとった。そして、メロンパンコミューンを高く掲げる。
「「デュアル・メロン・パーンッッ!!」」

そこまで満が話したところで、ようやく薫が読んでいた『週刊ホカホカ』から目を上げた。
「……何の話をしているの?」
「だから、来年から始まるプリキュアの新シリーズの話よ。…どう、薫、二人で咲と舞の跡を継いでみない?」
珍しく、薫が申し訳なさそうに眉をひそめた。
「言ってなかったけど、来年の新シリーズの主役は、私とみのりでやることになってるの」
「えっ?」
「タイトルは、『ふたりはプリキュア Minori☆Kawaii』よ」

(ストーリー)
薫とみのり、仲良く並んで座ってイチャイチャしている。
みのりの肩を抱きながら、くすぐったい沈黙の中で見つめ合う至福の瞬間。
しかし、彼女たちは戦士。平和な刻は仮初(かりそめ)に過ぎない。
「アーハッハッハ、アーハッハッハ、そこまでよプリキュア!」
嫉妬に駆られ、霧生満が意地の悪い高笑いと共に登場した。
「薫お姉さん、あの人、いつもウチの店でメロンパン値切ろうとしている人だよ」
「生活苦しいのよ。……無職だから」
「貴様らっ、悲しくなるから黙れっ!」
頭に血を昇らせた満が、賞味期限切れのメロンパンをぶん投げてきた! 
「キャッ」
悲鳴を上げるみのりを抱きかかえて、その攻撃を回避する薫だったが……。
満がニヤリと頬に笑いを乗せた。
一度はかわしたはずのメロンパンが、ブーメランのように空中で方向を変え、薫の背後を強襲する!
「……クッ!」
紙一重で何とかその攻撃から逃れた薫。だが、すっぱりと斬られた幾筋もの髪がはらはらと風に散る。
「ぬっ! この技は、まさか……!」
「知っておるのか、みのり!」
みのりが大きく頷いて、薫の耳元に口を寄せた。そして、民明書房刊『ジャムおじさんの武芸大全』に書かれてあった内容を耳打ちする。
「…………」(ごにょごにょ)
薫が目を見開いて驚く。
「……えぇっ、本当なのっ? 股間に塗ったバターを……まさか、満ったらそんなことを……」
「ちょ…ちょっと待って! 股間にバターって、いったい何の話? 何を聞かされたの、薫っ!」
薫はそれには答えず、とっても嫌そうな顔をしながら、満から距離をとる。
「みのり、ここは変質者がいて危ない。……もう家に帰ろう」
「誰が変質者かぁぁぁぁーッ!?」
逆上した満がメロンパンを手に襲い掛かってきた!
「薫お姉さん、プリキュアに変身して変質者をやっつけよう!」
「わかったわ、みのり」
薫とみのりの変身シーン。…なお、18禁シーンのため、この部分は放送できません。

「ちょっと待ちなさい、薫。変身シーンが18禁って……。いや、それ以前にツッコミたい所が山ほどあるんだけど」
「満、まだ途中よ。黙ってて」

閑話休題。
プリキュアに変身した薫が、満のぶん投げてきたメロンパンを華麗にキャッチし、至近距離(約一メートル)からそれを顔面めがけて全力で投げ返した。
「ぷぎゃっ」
情けない悲鳴を上げて倒れる満。闘いは一瞬でケリがついた。
「くぅ…っ、やっぱり美人でスタイル抜群で頭もいい薫にはかなわないわッ!」
捨てゼリフを残して満は撤退した。
だが、薫は決して勝ち誇るような真似はしない。なぜなら、心優しい彼女は誰よりも闘いを嫌っていたのだから。
夕日に向けて、そっと呟きをこぼす。
「どうして人は闘うことでしか分かり合えないの……?」
その姿に胸が『じーん』となったみのりが、思わず「薫お姉さん、カッコイイ…」と洩らした。
振り返った薫が優しく笑う。
「フッ…。わたしがどれほどカッコよくったって、あなたの可愛らしさには到底かなわないわ、みのり」

「……というカンジのストーリーにしようと思ってるんだけど、新シリ−ズ」
「勝手にしなさいッ!」
「……? 何を怒ってるの、満」

そして、一ヵ月後。
「満、前に話した来年の新シリーズのことなんだけど――ダメになったわ」
「へぇ? ま、わたしにはどーでもいいけど。…でも、また何で?」
「わたしのパートナーで出演する予定のみのりがね、わたしの子供を身篭ってしまったの」
「子供相手に何やったのよこの変質者ぁぁぁぁッッ!!?」


●今週のプリキュアS☆S
第35話『いざ決勝! ファイトだ凪中ソフト部!』

冒頭、ダークフォールでの会話で、キントレ氏の前回の撤収は「もっと強くなったプリキュアと闘いたいので、今日のところは引き上げた」ではない事が発覚。普通に負けたんで帰ってきました、だなんて…。
ああああ…、一気にキントレ氏の株が下がったな…。
ホントなら、最終的には戸愚呂(弟)100%ぐらいのキャラになって、キュアブライトとサシで勝負してほしかったのに。ちなみに、ウィンディは桑原のポジションで。

今回は、ソフトの決勝戦。ということで、完全にスポコンもの。
いいんちょの出番もあったりして嬉しい。
試合は、泉田キャプテンにとっては最期の試合ということもあり、彼女の男前っぷりにスポットが当たってました。つか、トリプルプレー決めたよ。トリプルプレーって漢字で書くと『三重殺』ですぜ。カッコよすぎて、ベローネのほのかさんにスカウトされそうだ!
さて、キントレスキー。
今まで出てきた敵幹部は、「試合なんか知るか」って感じで暴れてたのに、キントレ氏は試合終了まで貫禄たっぷりに観戦。
いや、ホント、今回は戦闘無いんじゃないかと思ったよ。

試合終了後、夕日を背に紳士然とした態度で登場のキントレ氏。
溶かした鉄で、リキッドメタルウザイナー形成。
ちなみに、演出が大塚氏なので、バトルは見てて非常に楽しい物でした。
パワー重視の巨人形態から、変幻自在な鉄液状態に移行したウザイナーに捕えられたブルーム。空中に飛んだイーグレットは、精霊の光に足裏に集束。それをバーストさせて、弾丸の如き降下加速。そして、追って来たウザイナーとすれ違いざまにブルーム救出。
追撃の鉄の雨には、お互いの蹴りの反発を利用して回避。しかし、ウザイナー本体に捕まえられ、そのまま地上に叩きつけられる。
この部分の空中戦は、短いながらも最高だったと思う。

でも、ラストの、
突っ込んでいった所を、スパイラルハート・スプラッシュで迎撃されて、「これほどとは…!」とあっさり撤退するキントレ氏。
また、株下がった……。

で、来週の予告見ましたが、すごそうな内容だな。
咲が舞のカラダをぐっと引き寄せて、顔近づけてるし……もしかして来週はキスシーンありか?
タイトルが『何人作る? 舞の悩みと文化祭』だしなぁ。
何人作る……って子供をですかァァっ!? 

2006年10月01日

●満と薫の華麗な日常 その一

PM9時。早々に布団を敷いて寝る準備を整える満。
薫「具合でも悪いの、満? こんな早くに寝るだなんて…」
満「明日はパンパカパンの年に一度の超特売日なのよ。全てのパンが半額……ふふふっ、朝一番に並んで開店と同時に乗り込んでやるわっ」
薫「…………」(店のメロンパンを全て買い占める気ね。…どーでもいいわ)

そして布団の中で。
PM11時。
満「…………」(どうしよう…、明日のこと考えたらワクワクして寝れなくなっちゃった…」

AM0時30分。
満「…………くっ」(ね…寝れない。…マズイわ、早く寝ないと明日の朝起きれない…)
焦った満は、自らを安らかな眠りへ誘おうと、心の中でメロンパンを数え始めた。
(メロンパンがひとーつ、メロンパンがふたーつ、メロンパンがみーっつ……イケナイっ、お腹すいてきちゃった……ッ!)

AM2時。
隣で寝ている薫がヨダレを垂らしながら寝言を連発。
薫「ぐふふ〜…みのり〜〜…食べちゃうゾ〜〜」
満「…………」(ウルサイッ! 寝言ウルサイッ!)

……………………。
……………………。
…………。

AM11時。
満「くー…くー…」
薫「満、もうそろそろ起きないと…」
満「…それって…命令……(むにゃむにゃ)あと五分だけ〜……くー…くー…」
薫「……好きにしなさい」

●満と薫の華麗な日常 そのニ

薫がソファーでくつろぎながら、『週刊ルミナリオ』を読みふけっている時だった。
うぞぞ…と床で何かがうごめく気配がした。
(何…ゴキブリ…?)
薫がふと床にやると、メロンパンがうぞぞぞぞ…と床を這い回っていた。
「な…ッ!?」
さすがに驚いた薫が、ソファーから立ち上がって黒雷球を瞬時に形成した掌をそれに向ける。
発射直前、
「ダメよ、薫ッ!」
薫の目の前に満が飛び込んできて、謎のメロンパンをかばった。
「これはメロンパンゼクター。 ―― この私の新たな力よ」
満の足元に、甘えるようにメロンパンゼクターがすり寄る。
「メ…メロンパンゼクターって……満がコレを作ったの?」
「そうよ。ウザイナー憑着のパターンを応用して作ってみたの。これさえあれば、咲や舞がピンチになった時、私がメロンパンダーに変身して助けてあげることが出来るわ」
「……メロンパンダーって……何なの、その最悪なネーミング……」
「うるさいわね!! そんなことは、メロンパンダーの実力を見てから言いなさい」
スラリとした脚をうぞぞ…と這い登ってきたメロンパンゼクターを満が手に取り、腰のベルトに装着した。
「変身っ」
『HENSHIN』
満の身体が太陽の如く眩しい光に包まれ、メロンパンダーへと姿を変える。
「ふふふ、どう、薫? 全ての乙女の憧れであるメロンパンと一心同体の境地。これがメロンパンダーの雄姿よ」
巨大なメロンパンから、首から上・ヒジから先・ヒザから下を生やした姿になった満が得意げに胸を張った。
「うん、物凄くどうでもいいわ。…というよりもメチャクチャ動きにくそうね」
「い…いいのよ。メロンパンダーが誇るは無敵の防御力。拠点防衛型を目指したのよッ」
「無敵の防御力?」
ためしに、薫がデコピンをピシピシと食らわせてみた。
「ちょ…ちょっと薫っ、痛い痛い……顔の部分は弱点だから……こ、こら、鼻の穴に指入れるのヤメテッ! ちゃんと無敵化したメロンパンの部分を攻撃しなさいよ!」
薫が無言でドン!とメロンパンに覆われた満の体を突き飛ばした。
「あわわわっ」
途端にバランスを崩し、床に『どてんっ』と転倒してしまうメロンパンダー。
まるで、ひっくり返った亀。短い手足をバタバタと動かして起き上がろうともがくが、ごっついメロンパンボディがあまりにも邪魔だ。
「うぅ〜、起き上がれない〜……薫〜、助けて〜」

…………。
そして、ついにメロンパンダーが活躍する日がやってきた!
ピンチに陥ったプリキュアの前に颯爽と立ち、メロンパンゼクターを呼び寄せる。
「来なさいッ、わが盟友メロンパンゼクターッ!」
メロンパンゼクターがいつものように地面をうぞぞぞ…と這いずって駆け、満の脚を這い登る。
満はメロンパンゼクターを手にとって、ごく自然な動作で口へと運んだ。

もぐもぐ…むしゃむしゃ……。

「……ハッ!? いつものクセで、ついうっかり食べちゃった……どうしよう、これじゃあ変身できないっ!」

こうしてメロンパンゼクターは満の胃袋へと消えていった。
しかし、満がメロンパンを愛し続ける限り、
いつの日にかきっとメロンパンゼクターは復活するだろう!
その時までさらばだ、メロンパンダーっ! また会おう、メロンパンダーっ! <第一部・完>


●今週のプリキュアS☆S
第34話 『お月見会はロマンスの香り』

(アバンタイトル)
キントレス鬼さん、ダークフォールのファイターで、プリキュアと闘う逞しいおじさん。
キントレス鬼さんと出会ってから、ボク…美翔和也の中で何かが変わってきました。
ある日、学校の帰りにキントレス鬼さんに石の蹴飛ばし方を教えてもらって……。

ジャー……ン、ジャン! ジャジャジャジャジャンジャンジャーン!
(オープニング省略)

美翔家でお月見会。
お供え物に、舞のお月見団子はともかくとして、
健太のサンマ、仁美の栗に梨に葡萄、そして咲のパン……、各家でバラバラすぎ。
優子の家では何をお供えするのか言わなかったけど、多分、彼女のイメージからして餅かな?
ちなみに猫塚家では、もちろん月といえば霧生満……なので、メロンパンをお供えします。

さてさて。今回は、自転車のカゴに収まったムープトフープが可愛かったですねぇ。
ふわっと舞い上がり、マイクやらメモやら、どっから取り出したのか謎の小道具を手に咲へインタビューを試みるフープとムープ。
「舞との結婚はいつですかーフプ」
「子供は何人ぐらいほしいですかムプ」

ススキを取った帰り道、咲がキントレスキーと遭遇……するも、キントレの望みはあくまでプリキュアとの勝負。
「どうしたッ、もう一人はまだか! 闘いが始められんではないかッ!」
さらには、
「お前たち、準備運動がまだだろう ウォーミングアップの時間を与えよう」とか、
かなりのバトル馬鹿なようす。
ウザイナーを撃破したプリキュアの姿に、さらなる成長性を見出したのか、あえて今の時点では決着をつけずに「面白くなりそうだ」と言い残して撤退するのも彼らしいっつーか。
……ところで、彼はずっとバク転しながらダークフォールまで帰ったんか?

ラストのお月見会で、
舞の兄に倣って、自分も牛乳を飲もうかと言う健太の言葉を聞いて、
「星野君が飲むなら、私も」と、以前よりも積極性を増しつつあるような優子。
個人的には頑張ってハッピーエンドを決めてもらいたいですが、
健太にフラれる展開もありかな?
傷心のまま姿を消した優子は、やがて、すっかりやさぐれてプリキュアの前に現れる。
ガガガガガガガッとブーツの滑車を地面に擦り付け、
「どうせ、わたしなんか…」とぼやきながら、ウザイナーに蹴り入れまくって倒す。
そして、「咲、美翔さん、一緒に地獄へ落ちよう…」とか言いながらプリキュアに勝負を挑んできたりとか。
…何を書いとるんだオレは? 

2006年09月10日

●満と咲の会話
「ねぇ、咲…」
「えっ?」
「新しいクリスタルコミューンのお世話の仕方って…」
いきなり正面から咲の襟首を掴んで、前後に激しくガクガクと振る。
「わわッ、満っ?」
「で、このあとに…」
咲の耳に口を近づけて、『ふ――ッ』と細い息を吹きかける。
「ひぃぃ――っ!?」
「こーゆーカンジよね。…さっ、おやつのメロンパンよ。たらふく食べなさい」

今回から、エンディングが新しくなりましたね。
いきなり満と薫が出てきてビックリしたっ。一瞬、何かの心霊現象かと思った。

2006年09月03日

8月31日、雪城邸――。
「ふあぁ〜〜、熱っついよ〜〜」
なぎさが座卓の上に積まれた宿題の残りと汗だくになって取っ組み合いながら、残暑の熱に悲鳴を上げた。
部屋の中には扇風機が一台だけ。なのに、向かい合って座っているほのかは汗一つかいていないのが不思議だ。
「なぎさ、そのセリフ今日で何度目?」
どたっと仰向けに倒れ込んだなぎさには見向きもせず、ほのかはひたすらにシャーペンを走らせ続けた。
長かった夏休みも今日で終わり。この夏は、なぎさと一緒にめいっぱい楽しんだせいで、いつもならとっくに終わっているはずの夏休みの宿題の片付けに追われていた。
「……ふぅ」
いつまでたっても起き上がろうとしないなぎさに、ほのかは溜め息をついた。
「なぎさ、早く宿題に取り掛からないと、今日中に終わらないわよ」
「もう無理ぃー。…だって、今日の朝6時からずっと宿題やり続けてるんだよ。アタシもう限界〜〜」
そのまま手足を使わず、蛇のように体をくねらせて、扇風機の下までズルズルと這って行った。そして、ほのかに背を向けたまま、
「ねぇ〜〜、ほのか〜〜、今日って夏休み最期の日だよ〜〜。何かさァ、二人で楽しい思いで作ろうよう……」
ほのかが諦めたように溜め息をつき、黙ってシャーペンを置いた。
……………………。
……………………。
……………………。
「ほのか…?」
あまりの静かさに、ふと、なぎさが体を起こしながら振り向くと、
「ワウっ?」
気配もなく、すぐ後まで忠太郎が忍び寄ってきていた。
「わぁっ!?」
驚くなぎさ。しかし、次の瞬間には悪戯っぽい笑みを顔に浮かべ、扇風機に手を伸ばす。
「忠太郎、そのままそのまま…」
「?」
なぎさが扇風機を片手で持ち上げて、忠太郎の顔の前まで近づけ、突然スイッチを『強』にした。
「プリキュア・マーブル・スクリューMAX――ッ!!」
「キャンッ!? ……ワンワンっ!」
強烈な風をイキナリ顔に食らって、びっくりした忠太郎が吠えながら部屋から逃げ出した。
「アハハハハ……」
まるで小学生のように、下らない悪戯の成功に大笑するなぎさ。だが、一分も経たない内に、忠太郎がまた部屋に姿を現した。
(ん……濡れてる?)
なぜか全身びっしょりと水が滴っている忠太郎の姿に、なぎさが笑いを潜めて警戒する。
忠太郎が動いた。一直線になぎさの方へ――迅いッ!
とっさに扇風機を盾にするなぎさだが、そんな彼女の読みの浅さを忠太郎は嘲笑う。
なぎさが気付いた時には既に手遅れ。完全に忠太郎の攻撃射程内だった。
―― キャストオフ!!
忠太郎がなぎさの前で激しくブルブルブルッ!と体を震わせ、全方位へ水滴を飛ばす。
「ワァーッ!?」
まるでシャワーのような広範囲攻撃を、なぎさが防ぐすべはなかった。
同じように全身びしょ濡れになったなぎさが態勢を立て直すよりも早く、
―― クロックアップ!!
忠太郎は一瞬で部屋から姿を消した。
「こ…こらーーっ! 待てーーっ!」
扇風機を振りかざして、忠太郎を追おうとするなぎさだったが……。
「なぎさ……何してるの? しかも、何でびしょ濡れなの?」
部屋を出たところで、ばったりほのかと遭遇した。
「あ……いや、別に……」
振りかざしていた扇風機を背中に隠しながら、ほのかが冷えたスイカを切って持ってきてくれた事に気付いた。
「あっ、スイカ…」
途端に忠太郎の事を綺麗に忘れて、なぎさがスイカの皿に手を伸ばそうとするが、その動きをほのかが一声でとめた。
「なぎさ、待ちなさい」
部屋を覗き込んで、雨でも降ったかのごとき惨状を目にしたほのかの表情が険しくなる。
「なぎさ、一体何があったの? 詳しく説明してちょうだい」

そして、忠太郎と共に庭で正座させられながら小一時間、ほのかに説教され続けた。
8月31日、なぎさの夏休み最期の思い出。


……えっと、ちなみに猫塚鶉の夏休みの宿題は、そろそろリンクページを作る、ということでした。
でも、ぐーたらなので放ったらかし……。
つ…つか、まぁ、ほら、プリリングで間接的に相互リンクしまくってるようなもんだから(…汗)


●今週のプリキュアS☆S
第30話『驚異の力! プリキュア大変身!!』 

さてさて。
前回のラストでゴーヤーンに先を越されてご立腹なミズ姐。
上々気分で進行中な、ゴーヤーンの策を引っ掻き回してやろうと企み…。

一方、フラッピとチョッピの手掛かりを探す咲と舞。
「どんな時でも、諦めず希望を持ち続ければ…」
「望みは叶う。強い気持ちで探し続けていれば…」
夕暮れまで探し続けた二人は、途方にくれて“大空の樹”の下までやってきた。
“大空の樹”に奇跡を祈る二人だが、樹は何も応えてくれず。
その代わりに、ダークフォールに通ずるゲートを開いたのがミズ姐だった。
あえて、彼女の策に乗るカタチでゴーヤーンの隠れ家に突入した咲と舞は、ようやくフラッピ、チョッピとの再会を果たすも、闇の牢獄にて全身を焼かれた二人は瀕死の状態。
もはやプリキュアへの変身は不可能。
フラッピ、チョッピの代わりに、今度はムープとフープを闇の牢獄に閉じ込めようとしたゴーヤーンだったが……。

「そこまでよ!」
暗き地の底に、凛と響く澄んだ声。
ゴーヤーンが振り向いた先には、光すら逃れられぬ重力坑の底へ、確かに封じ込めたはずの二人の姿が……。
「満っ!」
「薫っ!」
ムープとフープが満と薫の胸に飛び込んだ。
「もう大丈夫よ、ムープ」
「フープ…」
再会の嬉しさに泣きじゃくるムープとフープを、二人はそっと抱き締めた。
驚きのあまり言葉を詰まらせていたゴーヤーンが、二人を慌しく交互に指差しながら、
「な…何故ですッ!? そんな馬鹿なッ! アクダイカーン様のお作りになった重力坑は何人たりとも脱出不可能ですよッ! なのに、何故貴女方がここにいるのですッ!?」
口から泡を飛ばすゴーヤーンを、満の紅い眼差しが見据える。
「脱出不可能だったのは、さっきまでの話よ」
薫が蒼い眼差しに力を込めながら続ける。
「私たちの大切な友達を傷付けようとして……、こっちを本気で怒らせたのはあなたなのよ、ゴーヤーン!!」
満と薫が瞳の奥に感情を燃え上がらせたのを見て、ゴーヤーンがバッと飛びずさった。
ゴーヤーンは、すでに冷静さを取り戻していた。いつものように他者を見下した笑いを浮かべて、その場に浮遊する。
「なるほど……。それはつまり、この私めも、いよいよ真の力を持って貴女方の相手をせねばならぬということですな」
ニヤリと口元を歪ませて、ゴーヤーンがうそぶく。
「ちなみに、この私が全力を出して闘うのは……一千年ぶりの事でございますッ!」
一帯の空気が死の気配を孕んだ。
ゴーヤーンの内に、闇の狂気がみなぎり始める。
「満ッ!」「薫ッ!」
ムープとフープが『ポンッ』と音を立ててコミューン形態になった。
「変身するムプ!」「みんなの力を合わせるフプ!」
視線を合わせて、満と薫が頷く。
「「デュアル・スピリチュアル・パワーッッ!!」」
天に、地に、二人の声がこだまする。
満と薫が、それぞれの身に月と風の神格を降臨させる。
「熱く燃える月の魂、キュアブライト!」
「天(そら)に唄う風の魂、キュアウィンディ!」

「「ふたりはプリキュア!!」」

「邪悪な意志に傅(ひざまず)きし者よ」
「速やかに去れ……さもなくば、倒すッ!」

そして、激戦がダークフォールを震わせる。
すっかり取り残された咲が、舞に尋ねてみた。
「ねぇ、舞、月が熱く燃えるって変じゃない?」
「ほら、月っていうのは、太陽の光を反射して輝いているわけでしょ」
「あ…っ、そうか。何となく分かった」
「クールな外見の裏に熱い情熱を隠しているのが、満さんの本来の姿なのね」
「あ、舞、そろそろ必殺技を撃つみたいだよ」

「月に照らされ、静かに眠れ……!」
「風に吹かれ、音もなく散れ……!」
キュアブライトとキュアウィンディの周りに、精霊の力が集束する。

「「プリキュア・シャイニング・インパクトォォォォォォッッッ!!!」」

真っ直ぐに突き進んでくる神威の光弾を前に、ゴーヤーンが敗北を悟った。
「グッ!」
もはや、二人を倒すことを完全に諦めて、逃げることのみに専念したのが彼の命を救った。
「満殿っ、薫殿っ、この屈辱はいつか必ずお返ししますよッ!」
捨てゼリフを残して転移しようとするゴーヤーンを、キュアウィンディの声が引きとめた。
「今…」
「はっ?」
首だけを振り向かせたゴーヤーンに対してキュアウィンディが続ける。
「今、返せば?」
歯軋りと殺意の視線をプリキュアの二人にぶつけ、しかし、それ以上この場にとどまることなく、ダークフォールの深奥へと姿をくらませた。
「…追う?」
「どうでもいいわ。それよりも……」
激しい戦いの余波で、空間自体が崩壊しようとしていた。
「満っ」「薫っ」
咲と舞が二人に駆け寄ってきた。
プリキュアの二人が手を差し伸べ、暖かな精霊の光を紡いだ。
「…ラピ?」「…チョピ?」
咲と舞に抱かれていたフラッピとチョッピの癒され、元通り元気になる。
「さっ、ここから脱出しましょう」
キュアブライトとキュアウィンディの手を取りながら、咲と舞が笑顔で頷いた。

……『ふたりはプリキュア Splash☆Star』へのご声援、ありがとうございました。
次回より満と薫が主役の『ふたりはプリキュア Shining☆Soul』をお楽しみください。


つか、話は変わるけど、皆さん「なかよし10月号」はもう読まれましたか?
第24話から30話までの骨子をあんなに綺麗なカタチで一話にまとめるとは…。
やっぱふたご先生スゲェー!

2006年08月27日

プリキュアの28話……録画に失敗しました。
なので、すごくやさぐれております。俺の背中から立ち昇るオーラがね、どす黒いのよ。
さらに、『時をかける少女』が神戸の映画館で上映継続してくれる事になったのですが、
時間がPM8:50から……って、駄目だ。行けない。やさぐれてやーるー。
タイムリープするたびにスクリューアタックを繰り出すサムス・アラン(『メトロイドシリ−ズ』のヒロイン)の如き紺野真琴の姿を、もう一度目に焼き付けたかったんですが…。

え〜っと、28話のタイトルは
『旅だ!電車だ!大冒険! 』でしたっけ?
咲と舞が電車に乗って一日だけの冒険旅行に出かける。
公式のHPであらすじを確認して、「なかよし8月号」の内容を思い出したよ。

〜抜粋〜
咲「それでさー、満と薫の四人でちょっぴり遠出してね、
この夏いちばんの思い出づくりしてみるの! どう?」
舞「ステキね! お弁当もって、行き先決めずに小さな冒険旅行」

……ちょっと切ない気分になった。



●今週のプリキュアS☆S
第29話『フラッピチョッピ絶対絶命!』 

今回は、フラチョピとムプフプがメインのお話。
夏休み最後の日、美翔家で宿題の片付けに追われる咲と舞。
しかし家では、「お願いだから、今日だけは静かに宿題させてよ〜〜」という咲の願いも空しく、
フラチョピとムプフプの合計4体が大はしゃぎで…。

AWAAWA石鹸のCMでシャボン玉を空に飛ばすシーンを目にしたムープが、「<空の泉>ムプ…」と懐かしの故郷を思い出します。
いや、<空の泉>にゃ石鹸は無いだろーとか思いましたが、
もしかしたら、<空の泉>を管理していた満と薫が、ジョジョ第二部のコミックスを読んで「奥義波紋シャボンランチャー!」とかやって遊んでいたのか?
…いや、もっと直接的かな。

「薫、そろそろお風呂の時間よ」
「ちょっと待って。わたしのシャンプーハット知らない?」
などと言いつつ、お風呂で泡泡タイム。
満が石鹸をシャカシャカ泡立てて、「薫、動かないで」
そっと背後から、シャンプーハットをかぶった薫の頭の上に大きな泡の塊を置いてみたり。
「…………」
無言のまま頭にザブンッとお湯をぶっかけて、泡の塊を洗い流す薫。
「アアっ? せっかく上手く置けたのにっ! 置けたのにっ!」
怒りに燃える満は、復讐を決意。
またまた石鹸をシャカシャカと泡立て、大量の泡を製造。両手でそれを可能な限り掬い上げ、こっそりと薫の背後に忍び寄る。ニヤリと邪悪に微笑んだ満が深く息を吸う。
両手の泡を薫に吹きかけようとする寸前、唐突に薫が振り返り、
「フ――――ッ!!」
「キャッ!?」
辺り一面に舞い上がるシャボン玉。そして、自ら作った泡で、顔を泡だらけにする満。

……と、こんなカンジだったんかな?

さてさて。
そんな満と薫が愛用していたAWAAWA石鹸が、突然に舞の家に送られてきました。
実は、これはミズ姐の策。
もしこの策が成功していたら、とんでもないことになってましたよ。(↓)

「さーて、宿題も終わったことだし……ねぇ、舞、一緒にお風呂入ろうよ」
「えっ?」
「ホラ、さっき送られてきたイイ匂いのする石鹸。早速使ってみようよっ」
とまぁ、お風呂でお互いの背中を流しっこする咲と舞。……だが、その石鹸にはウザイナーが仕込まれているのだった。
「あれっ? この石鹸の泡……全然落ちないッ」
シャワーで流しても流しても、石鹸の泡は、二人の全身にヌメヌメとまとわりついたまま。洗い落とすことが出来ない!
「咲、これってもしかして、ダークフォールの罠っ!?」
舞が気付くも、すでに遅し。今回のミズ姐の策は、発動したが最期、絶対に破ることは出来ない。
「きゃっ!」
「危ないッ、舞ッ」
立ち上がろうとした舞が、石鹸の泡で足を滑らせて転びかける。間一髪で伸ばした咲の手が間に合うも、次の瞬間、咲も石鹸の泡で滑って尻餅を突いてしまう。そして、手を引っ張られるカタチで体勢を崩した舞が、咲のカラダと折り重なるように倒れ込んできた。
「痛った〜〜〜ッ」
「大丈夫、咲?」
とっさにクッションになってくれた咲のカラダから退こうとする舞だが、手足に力を込めるたびに『ヌメヌメ…つるりんっ』と滑り続け、
「駄目っ…立つことも出来ないなんて……」
それでも諦めることなく、咲のカラダの上で何とか立ち上がろうとあがき続ける舞だが、そんな彼女に咲が遠慮がちに、「そ…その…舞、あんまり動かないで……」と言ってきた。
舞の目の前で、咲が顔を赤らめてもじもじとする。
「その……舞が立ち上がろうとするたびに、舞の脚が…その……」
「えっ?」
舞が自分の脚の方に首を向けて、咲の言葉の意味を理解した。舞の顔も咲と同じように赤くなった。
「さ…咲、ワザとじゃないのよ」
「わ…わかってるってば」
ちょうど咲の両脚の間に、舞の片脚は投げ出されていた。舞が立ち上がろうとすればするほど、咲の大事な部分に、ヌルヌルと脚がすり付けられることになる。
「でも…何とか立ち上がらないと……チョッピたちが心配だし……」
「じゃあ、あたしも頑張ってみるけど……いい?」
咲が、舞の表情を窺う。舞の下半身は、咲の片脚をまたぐカタチで乗っかっている。もし、咲の脚が動けば、舞の大事な部分は当然……。
「……いいよ」
舞の可憐な唇が、恥らいつつもそう紡いだ。
(舞の顔……すごく近い)
咲が、ふと、そんなことに気付いて胸をドキドキとさせる。
(もし、この状態で舞が体勢を崩したら……)と考えながら、脚を動かしてみた。
「あうっ」
ぴくんっ…と舞のカラダが震えてバランスを崩す。二人の密着度が増し、顔の距離もまた近まる。
二人の唇を隔てるのは、もはや紙一枚ほどの距離。
「…………」
「…………」
間近で見つめ合った二人が言葉を忘れる。
(……このまま咲とキスしちゃっても、この状態なら単なる事故よね)
(舞の唇……あともう少し……)
また咲が脚を動かして、舞のカラダを滑らせた。
二つの唇は、あっさりと触れ合った。
(舞……)
(咲……)
どんなに泡が滑らそうとしても、二人の唇くっついたまま。決して離れることはなかった。
そして、『あくまで立ち上がろうとするために』、お互いの大事な部分の上で、二人の脚がくねくねと激しく動き始めた。

……と、ミズ姐の策ではこうなる予定だったですが、どこで何が狂ったのでしょうか?
テレビでは、ムープとフープがこのAWAAWA石鹸を使って、楽しげにシャボン玉遊びに興じていました。
ちきしょう、……オレサマ、オマエラ、マルカジリ。

さて。
ミズ姐のウザイナーとの戦闘終了後、ゴーヤ−ン出現。
あっさりとフラッピとチョッピを奪取します。
さらに、生身の状態の咲と舞に向かって、砂浜が爆発するほどの衝撃波を撃ち出します。
……あ、でも二人とも無傷だ。
今回のラスト。
ダークフォールへと連れ去られたフラッピとチョッピの生命を絶望視したムープが、
二人の墓穴をせっせと掘ってるシーンで次回へ続く。


●見てきた映画の感想
『スーパーマン・リターンズ』
マッチョなクールガイがピチピチのタイツに全身を包んで空を飛ぶ。
ふむ、プリキュア無印とMHではよくある光景でしたね。
さてさて。
スーパーマンのスピードとパワーを余すところなくアピールしたであろう、
前半の飛行機事故救出のエピソードが一級品でした。
マジで映画のフィルム巻き戻して、もう一回見たいほどでした。それくらいカッコ良かった!
ただ、この部分ほどにスゴイシーンが、後に見当たらなかったのが残念(個人的にですよ?)
宿敵ルーサーの引き起こした災厄でパニックになった街を救うシーンも、いかにもスーパーマンの映画らしい見所なんですが、比較すると迫力に欠ける。
また、敵であるルーサーは、スーパーマンを追い詰めるほどの策略の使い手であるとはいえ、それ以外に特別な力をもってるわけでもなし。普通の人間です。やっぱ、スーパーマンの敵となるには物足りん気が否めん。
とはいえ、全体的には、さすがに良く出来たヒーロー映画でした。


『ユナイテッド93』
スーパーマン、こっち来てこっちーッ!(汗)
つか、まごうことなき衝撃作。
ユナイテッド93便とは、
9.11の同時多発テロで乗っ取られて墜落した飛行機のうちの一機。
他の機がどんどんと自爆テロを成功させていく中で、
ついにユナイテッド93便に乗り込んでいたテロリストも動き出し……。

乗客の中にヒーローは不在。
テロリストたちも、何倍もの数の乗客相手に神経をすり減らしつつ、
何とか威勢を保っているという状態で、徐々に追い詰められていく。

非常に息詰まる展開でたたみ掛けながら、
まっしぐらに『死』に向かって閉じていく凄い映画でした。




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