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●今週のプリキュアS☆S
第27話『みんな大好き! 思い出の夏祭り』
甲子園のせいで、一周遅れで見ることになりました。
夕凪町の夏祭りにやってきた咲たち一行。
しかし……。
「こちらムープ。どうやら夏祭りへの潜入は成功のようだ」
「こちらフープ。了解した。咲たちの隙の突いてミッションをスタートさせる」
咲のバッグに身を潜めた邪悪なる吸血ナメクジは、血の飢えで爛と両目を輝かせた――。
さて、今週もラブラブっぷりを見せ付けるぜ優子&健太の新婚夫婦!
お祭りの定番のひとつ・金魚掬いで、
ダメ夫・健太が何度チャレンジしても掬えなかったデメキンを、
あでやかな手練の冴えを見せ、一発で掬い上げる新妻・優子。
(なんつーかさ、優子はそろそろ健太の子を身ごもってもいいんじゃないかと思う)
それを見てやる気を出した咲が、大物狙いでアミを構える。
「よーし、あたしも掬うぞう!」
その時、
「今だムープ! やれっ!」
ドンッ!
ムープのスナイパーライフルが火を噴き、咲の手にしたアミをぶち抜く!
「うわっ!?」
咲が驚いた隙を突いて、まんまと姿をくらましたムープとフープ。
二手に分かれて行方を追う咲と舞だが、
ある時は水風船に成りすまし、ある時は輪投げの景品に成りすまし、と
お祭りの場を最大限に利用した擬態で咲たちの追跡を振り切る。
このままでは確実に犠牲者が出る……。
焦燥に駆られる咲の前に、突然現れたのは美翔和也。舞の兄です。
憧れの人を目の前に、頬を赤らめた咲でしたが、
微かな違和感と戦士の直感が、彼女の戦闘モードを呼び起こします。
一瞬の観察。はたして、彼の手には……。
(いつも持ってるはずの牛乳がないッ!? 和也さんと牛乳は一心同体なのに……。まさか、和也さんの偽者ッ!)
「何者ナリっっ!?」
近距離からの咲のダブル掌打がズドーン!と美翔和也の腹部に命中します。
お祭りですっかり遊び疲れたムープとフープは、人気の無いところに移動。
そこへ現れたるはハナ・ミズターレ。
「早く逃げろムプー!」
フープに向かって叫んだムープが、ハナ・ミズターレに飛びかかりました。
ハナ・ミズターレの顔面に決死の覚悟で体当たりをかまし、ザクッザクッとサミングを決めます。
「ぎゃぁぁぁぁぁッッッ!!!」
悲鳴を上げるハナ・ミズターレ。
しかし、ムープの戦闘力ではハナ・ミズターレの両目を潰す程度。
フープは空中ダッシュでプリキュアに援軍要請をしにいきます。
早速駆けつけた咲と舞。
ムープ救出のために、咲が策を仕掛けました。
ムープに良く似たヌイグルミを使って、腹話術でハナ・ミズターレを混乱させます。
咲の手の中にいるのが本物のムープだと思い込んだハナ・ミズターレは、せっかく捕まえたムープを放してしまい……。
咲の作戦、見事に大成功!
Q.どうして咲は腹話術なんて使えるラピ。
A.それはね、舞とのキスで唇が塞がれた状態でも「愛してる」って言えるよう練習したからナリよ。
あとは、いつも通りに戦闘やって終了。
そして、ラスト。
「あたしね、舞に出会ってから毎日がすごく楽しいんだ。だから、舞も同じだったらとっても嬉しい!」
「わたしも。咲と出会ってから毎日がすごく楽しい!」
闇夜の中での告白を終え、二人が沈黙する。
それは、祭りもたけなわな時刻のこと。
突然夜空に咲いた花火のせいで、
お互いの顔が真っ赤に染まっているのがハッキリと見えてしまい、
「…………」「…………」
二人は恥ずかしそうに顔をそらしてクスクスと笑った。 |
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Q.もし今手元にテポドンの発射スイッチがあったら?
A.甲子園に照準してぶち込む(←模範解答)
つか、
このお盆休み中に、今書いてる咲×仁美のSS(18禁)をUPできるように頑張ってます。
●今週のプリキュアS☆Sは、関西では放送されませんでした。
でもまぁ、たぶん、こんな感じだったと思うよ(↓)
第27話『みんな大好き! 思い出の夏祭り』
ムープとフープがお祭りの雰囲気に浮かれて咲たちと離れ離れに。
で、そこをハナ・ミズターレに発見されピンチ。
……うん。ここまでは容易に推測できますね。
さてさて、戦闘シーン。
やはり、毎回毎回同じようなパターンということも無いでしょう。
そんなんじゃ飽きちゃうしね。
たとえば、ハナミズタレの召喚した強力なウザイナーに対し、
ムープとフープの協力奥義「月風魔伝」が炸裂と思わせて……不発!
「オーホッホホ! 残念だったわね! 今夜は新月。月の力は使えなくってよ」
月の力と風の力が揃わぬ限り、プリキュアをパワーアップさせるベルトとブレスレットは呼び出せない。
どうするプリキュア!? と思わせといて、唐突に飛び込んでくる助っ人2名。
咲「ま、まさか貴方は……」
舞「いえ、貴方様は……」
紅き瞳の少女、自らを高速の弾丸と化してウザイナーへ突撃する!
「突きの力っっっ!!!」
霧生満の正拳突きがちゅどーん!とウザイナーのみぞおちを貫く!
蒼き瞳の少女、風を手繰り、目に見えぬ邪悪な力をウザイナーへと送る!
「風邪の力っっっ!!!」
霧生薫の撒き散らしたウイルスに感染したウザイナーが、熱を出しながら咳き込む。
咲「満っ!」
舞「薫さんっ!」
そう、彼女たちは帰ってきた。霧生満と霧生薫は帰ってきたのだ!
咲「でも、どうして……」
咲の疑問に対して、満が説明を始めた。
* * *
ある日、突然ダークフォールにやってきた黒と白のプリキュア、そしてルミナス。
彼女たちは瞬く間にアクダイカーンを倒し、
囚われていた満と薫を救出すると共に、全ての泉を開放した。
これにより、フィーリア王女は本来のパワーを取り戻した。それこそが彼女たちの狙い。
「キャーッ」
泉になぎさの悲鳴が響き渡る。
「「いっせいのーで…」」
なぎさの両腕を掴んだほのかが、同じく両足を掴んでいるひかりとタイミングをあわせる。
いったん大きく弾みをつけてから、勢いよく泉へと放り出した。
ジャッポーンっっ!
しばらくは水面にぶくぶくと泡が浮かんでいたが、やがて力尽きるように消えていった。
それでも二人は辛抱強く泉の様子を見守っていた。
やがて、泉の表面に虹色の波紋が走り、フィーリア王女が厳かに姿を現した。
左右の腕が、それぞれ一人ずつなぎさを抱いている。
「あなたたちの落としたのは、この凛々しい美墨なぎさですか?」
左腕に抱いたなぎさを示してから続ける。
「それとも、こっちの可愛らしい美墨なぎさですか?」
今度は、右腕で抱いたなぎさを示した。
ほのかとひかりは、声を揃えて答えた。
「「いいえ、わたしたちが落としたのは、貧乳で、足のくさい美墨なぎさです!!」」
フィーリア王女は二人の正直な答えに満足げに頷いた。
「いいでしょう。貧乳で足のくさい美墨なぎさをお返ししましょう。
そして、正直者なあなたたちには、この二人の美墨なぎさも差し上げましょう」
前もって交わしておいた約束どおり、
ほのかは、オリジナルの美墨なぎさと可愛らしい美墨なぎさを、
ひかりは、凛々しい美墨なぎさを手に入れた。
* * *
満「まぁ、そういうことだから…」
薫「咲、舞、今の内にウザイナーにトドメを!」
満「ちなみに、トドメの刺し方は以下に示した3つのうち、どれかを選んでね」
@ ツインストリームスプラッシュで普通に倒す。
A 弱りきった敵を、スパイラルハート・スプラッシュで派手に粉砕!!
B このまま弱りきって死んでいくのを黙って眺めておく。
舞「あの……@でいきます……」
ツインストリームスプラッシュがウザイナーに叩き込まれて戦闘終結。
……うん、こんな感じかなぁ。 |
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午前中、エアコン切ってたら室温が38度まで跳ね上がって驚いた。
窓開けても効果ねーじゃん。風は入ってこない。入ってくるのはセミの大合唱のみ。
最近日差しが強烈なので、気をつけろ。特に頭髪の薄い人。
おばあちゃんが言っていたけど、
強い日差しを浴び続けると、頭髪越しに頭の皮膚の温度が上昇し、毛根がダメになってしまう。
毛根がダメになるということは、髪の毛が生えてこない=禿げる。
毛根がやられてしまうと、育毛シャンプーも意味ないわな。
帽子をかぶるなり、タオルで頭部の日差しをよけるなり、何か対策した方がいいっスね。
●今週のプリキュアS☆S
第26話『咲には内緒! ドッキドキの夏合宿!』
夕凪中ソフト部恒例の夏合宿。二日間、学校に泊り込みで頑張ります。
練習終えて、家庭科室で夕食の支度をする咲たちのところへ、なんと舞が押しかけてきました。
「はい、これ食べてね」
睡眠薬入りのスイカが手土産です。
「あの先生…、今日は咲と一緒の布団で寝ていいですか?」
「わかった。でも、あんまり大きな喘ぎ声上げさせないようにね」
「あとで咲に猿ぐつわかましておきますから」
「それなら安心だね」
舞に続いて、嫁の支援に健太まで登場。
目をウルウルとさせて喜ぶ優子。
健太の寒いギャグに大ウケし、カレーの味付けは健太の好みに合わせ…、
新婚夫婦つーのは初々しくていいですね。
しかし、学校内には吸血ナメクジ・ムープとフープが潜んでいた。
夜の校舎内で一人になった健太を標的に定める!
空中を漂い、背後から忍び寄る邪悪な気配。志村ーッ、うしろーッ!!
直感的に邪悪な存在を感じ取った健太がダッシュで逃げるも、すぐ後ろには奴らの息遣いが……。
覚悟を決めた健太は振り向きざまに懐中電灯の光をムープとフープに浴びせる。
そう、吸血ナメクジの弱点は光!
「ギャアアアアアッ!!」
叫び声を上げながら逃げていくムープとフープ。健太、まさに危機一髪でしたね。
いよいよ消灯時間。
ソフトボール部全員、体育館に布団を敷いてで就寝します。
しかし、深夜、咲がふと目を覚ますと、全部の布団が空っぽという謎の事態が。
まるでマリー・セレスト号のごときミステリー。
消えた皆を探して、夜の校舎を捜索中、校庭からウザイナーの気配が。
咲のもとへ舞が駆けつけてきます。
「それより舞っ、みんなどこ行ったか知らない?」
「み…みんなは大丈夫。ちゃんと教室に隔離してあるから」
「教室? どういうこと?」
「あ……」
思わず、自らが犯人であることと自白してしまった舞。犯行に及んだ動機は、咲と二人っきりで子作りに勤しみたかったからです。
今回も登場、ダークフォールのマドンナことハナ・ミズターレ。
プリキュアに変身した二人を、ウザイナーのナックルバルカンが掃射が追い詰め、
隙を見せたところをホースがぐるぐるに絡め取る。
さらに、身動きの取れない二人の足元にトリプルリキッドボンバーが炸裂!
次の一撃がトドメ……というところへ、ムープとフープが高速接近。
「プリキュアの敵は、吸血ナメクジにとっても敵。貴様の血、一滴残らず吸い尽くしてやるぜ!」
「見敵必殺! 見敵必殺!」
……しかし、案外簡単にウザイナーのホースで絡め取られてしまいます。
「チィィっ! さっき健太から食らった光のダメージが思った以上に響いてやがるッ!
俺たちはここまでだ! あとは自分たちで何とかしろっ、プリキュア!」
「御然(おさ)らばだ諸君。満と薫が泣いている。どうしようもないあの馬鹿が。
相もかわらず意気地のない弱虫めが」
どっかーん!
ムープとフープは自爆して果てました。
もはや脱出不可能なプリキュアに、再びトリプルリキッドボンバー。
ダメージは何とかしのげますが、止まらない水流に阻まれて呼吸が出来ません。
窒息寸前のブルームに、イーグレットの唇が重なる。口移しで酸素を与えます。
(イーグレット……)
(ブルームの口、カレーくさい……)
瞬間、精霊の光が満ちて、二人の縛めを弾き飛ばします。これぞ愛のパワー!
なお、吸血ナメクジであるムープとフープは、心臓をトネリコの木の杭で貫かれないかぎり滅びることはないようです。
爆死から復活したムープとフープの協力奥義「月風魔伝」でプリキュアがパワーアップ。
いつものようにファイナルハート殺虫剤でウザイナーを駆除します。
そして翌日。
フラッピのお世話のために昼食に遅れた咲。
教室のドアを開けた途端、
憲兵少尉「先生!!」
篠原先生「うん、射殺しろ。遅刻者だ」
バンッ! バンッ! バンッ!
……………………。
「「「ハッピーバースデーッ!!」」」
実は、今日は咲の誕生日。ということで、
ソフトボール部は全員武装して、誕生パーティ―の会場である教室に集合していました。
咲は、みんなから心のこもったプレゼントを受け取ります。
ソフト部のみんなからは、『ナージャミシン』
これを手渡した仁美と優子は、実はナージャとローズマリーの変装でした。
健太からは法螺貝……と見せかけて『角笛ギャラルホルン』
北欧神話の神ヘイムダルの角笛です。
咲が不用意に吹き鳴らしたため、神族と巨人族が最終戦争を始めてしまいました。
舞の兄からは『渋谷隕石のカケラ』
確かコレの所持者は、ワームに狙われちゃうんでしたよね?
そして、舞からは『咲の顔面クッション』
結婚後は咲を尻に敷きたいという願望が、これを作らせたようです。
咲「みんな、ありがとう! 今日の気分は…絶好調なり―――ッ!!」
【完】
●ちょこっとだけ見に行った映画の感想
『轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE 最強のプレシャス』
舞台挨拶を見たかったので前日にチケットを取りに行ったんですが、いやもう全然無理。
ボウケンピンク役の末永遥さんを生で見てハフハフ興奮したかったのに。
仕方なく映画だけを見てきました。
前作のマジレンジャーに続いて、しっかりとした脚本と観客のツボを心得た演出。
上映時間の33分間、余す所なくパンパンに詰め込まれた冒険。
大神官ガジャ様の出番がオープニングのみっていうのが、ちょっと寂しいですが。
ラスボスは大迫力。デカい。
女性の方はとにかく行くべし。劇中でボウケンレッドが生ケツをサービスします。
『仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』
なんで脚本が井上敏樹じゃないのにダメなんだ? この映画。
監督も、この程度の内容で泣かせようとは考えがヌル過ぎ。
あと、ゲストは要らなかったな。紫のバラの人とか。
でも、矢車さんがザビーとして復活してくれたのは嬉しかった。
『時をかける少女』
またまた行ってしまった。今回で3度目ね。
つか、オレ以外の人も半分ぐらいはリピーターだろ。
今回もエンドロールを見終える前に席を立った人間は、満席に近いシアター内でたった一人だけという状況。
最期まで席を立たせない感動の力がこの映画には確かにあります。
んで、この映画、感動指数に比例して中毒度が高い。もいっぺん見に行きたくなってきた。
ヒロインたちは見てて気持ちいいぐらいによく動き回ってて、3度目でも飽きが来ない。
タイムリープの矛盾点については各所で色々と指摘されてるが、俺的には、
あんだけゴロゴロ転がってるのに、一切めくれず、絶対にパンチラしないスカートの方が気になる。
あの鉄壁ぶり……まさにオリハルコンの強度!
この映画の中で一番気に入ってるのは、ボランティア部の女子トリオ。
何度見ても楽しいなぁ、このコらの仕草は。
ずずいっとヒロインに迫って、経緯説明のためにオーバーアクションな芝居を披露。
片思いの先輩の視線を受けて大いにわたわた。
とりあえず、
今日ようやく手に入ったサントラ聴きながら、しみじみと感慨にひたっておきます。 |
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ほのかの目が、そわそわと手にした携帯電話と壁掛け時計とを往復する。
いつもより数分遅いだけなのだが、体感的にはもう数時間も待ちぼうけを食らわされているような気分だ。
パリの高級住宅地であるパッシーに居を構えた両親に招かれて、今日で一週間。長い間家族と離れ離れで暮らしたほのかにとって、家族水入らずで過ごす時間は、とても大切で幸せなものだった。
しかし、こうして部屋に一人でいると、日本にいる時には感じられなかった空虚さがほのかの心を苛んだ。まるで、魂が半分欠け落ちてしまったような憂鬱な気分になる。
ほのかが時計を見る。いつもの時間よリ、もう10分以上も経っている。
「……なぎさぁ」
泣きそうな声で愛しい人の名前を呟く。
白いレースのカーテンを抜けて、テラスから爽やかな陽が差し込んでくるが、ほのかの心は曇ったまま。
力無くベッドに腰掛け、うなだれる。……と、ちょうどその時、手の中の携帯電話から着信を告げるメロディが流れ出し、発光ダイオードがチカチカと明滅した。
ほのかが弾かれたように立ち上がって、急ぎ携帯電話を開いて耳に当てる。
「あ〜〜〜んっ、な〜ぎ〜さぁぁぁっ」
煮詰めたシロップを舌先に乗せたような、甘ったるいほのかの声が部屋に響き渡った。
デレデレと相好を崩して、電話の向こうから聞こえてくるなぎさの一声一声に身体をくねくねとさせる。すでに、ベローネ学院に名を残すといわれた天才少女の面影はない。
「どうしたのよ、もうっ。いつもよりかけてくるの遅いじゃない」
『ゴメンゴメン。買ってきたマンガ読んでたら、つい時間が過ぎちゃって……』
「もう、なぎさったらぁっ…」
その後も、いつも通りのたわいもない談笑がパリと日本を行き来した。恋人同士の間柄、時折、お互いが赤面するほどの赤裸々な言葉が入り混じる。多分、織姫と彦星に携帯電話を持たせたら、一年中こんな感じなのだろう。直接触れ合うことの出来ない切なさを、言葉で補おうとしている。
『……ほのか、明日の飛行機で帰ってくるんだよね。じゃあ、明日の準備とかあるだろうし、今日はこの辺で切るね』
「ええっ、もう切っちゃうの!? ……うん、わかった。切るね」
『あっ、そうそう。美味しいおみやげ、よろしく頼むね、ほのかっ』
「わかってるってば。もう、なぎさったら食べることばっかり…」
沈黙した携帯電話に小さな溜め息を落とし、ドサッとベッドに腰を下ろした。時計を見ると、もう一時間以上経っていた。
(ちょっと話しただけのつもりだったのに……)
楽しい時間というものは、本当にあっという間に過ぎてしまう。幸せな気分から醒めると、寂しさだけが残っていた。
(早くなぎさに会いたい……)
その想いで、胸が締め付けられる。明日の準備など到底する気になれず、ベッドの上にゴロリと転がった。
(私、なぎさの笑顔が見たい。なぎさに抱き締めてもらいたい。なぎさにキスしてもらいたい。なぎさと素肌を触れ合わせて、一緒に気持ちよくなりたい――――)
手にしている携帯電話を顔の上に掲げた。
「……せっかく私たち、声だけでも繋がっていたのに、なんで切っちゃうのよ。……なぎさのバカ」
心に生じたわずかな怒りがバネとなった。
勢いよく上半身を起こして、片手で携帯電話を操作する。ほのかの想いは電波に乗って、数秒でパリから日本までの距離を踏破した。
『…うん? もしもし、ほのかなの?』
「なぎさのバカぁっ!!」
感情に任せてぶつけてみる。……今の自分の気持ちを。
電話の向こうで、なぎさが目を白黒とさせて途惑っている様子が目に浮かんだ。
抑えようのない興奮がほのかの口を回す。
「私……なぎさがそばにいないから、毎日一人でしてたのよっ。本当はなぎさにして欲しいのに、自分の手で慰めてたんだからっ!」
短い息継ぎの後、なぎさに口を挟む隙も与えずに続けた。
「いつもならなぎさがギュッて抱き締めてくれて、いっぱいキスしてくれるのに……私、一人ぼっちで淋しかった……なぎさと一緒のベッドじゃないなんて…私…ガマンできないよ……」
言葉にだんだんと嗚咽が交じり始める。さっきまでの猛烈な勢いは殺(そ)がれたが、それでもほのかは言葉をとめない。
「なぎさのバカ……。本当に私……なぎさのこと愛してるんだから……。私が日本に帰ったら、三日ぐらい眠らせてあげないんだから……」
『ぐすっ』というほのかの泣き声に、なぎさの苦笑が優しく被さった。
『いいよ、ほのかの望み通りにしてあげる。……その代わり、もしかしたら三日だけじゃ済まないかもしれないけど。アタシだって、ほのかと離れ離れで結構たまりまくってるもん』
「……うん、なぎさの好きにしてくれていい。私はなぎさに抱いてもらえさえすればいいの」
一呼吸ついて、ほのかはクスクスと笑った。
「じゃあ、私も今夜はガマンして、たっぷりとためておくね」
『うん。ほのか、もし出来るなら、アタシたちでギネスの記録に挑戦してみようよ』
「もうっ、そーゆー方面のギネス記録なんてあるわけないでしょ」
ほのかが涙の跡をぬぐって笑った。
最期に恋人同士は、「愛してる」という言葉で締め括って通話を終えた。
ふと、ほのかが時計に目を向けると、まだ十分も経っていなかった。
携帯電話に視線を落とし、「これからが長いのよね…」と呟く。
楽しい時間はすぐに過ぎてしまうのに、そうじゃない時間はなかなか過ぎてくれない。
でも……耐えられる。
淋しくても、つらくても、その先に希望があるなら。
(まずは体力の温存。帰ったら、なぎさにいっぱいいっぱい抱いてもらうんだから)
ほのかはゆっくりとベッドに横たわり、微笑と共に目を閉じた。
ああッ、せっかく満と薫の生存が確定した記念に、
二人のSSを書こうと思ったんですが、なーんもネタが思い浮かばなかった。
とりあえず、なぎほのの拙いSSで誤魔化しときます。ごめん。
●今週のプリキュアS☆S
第25話『商売繁盛! 海の家のお手伝い』
今回は演出が大塚隆史さんということもあって、色々と見所がありました。
咲と舞、プリキュア史上初の飛行中変身とか。
あと、優子ちゃんね。積極的に健太とのフラグを立てようと動く姿が好感。
このコの恋は成就してほしいなぁ。
そして……
幸せだ。
早くもテレビに満と薫が帰ってきましたね。ま、ムープとフープの回想シーンで、ですが。
ムープとフープが枯れ果てた空の泉をさ迷っている時、突如倒れこんできた枯れ木に押し潰されそうなった所を救ってくれたのが、なんと薫さんだよ〜。
まさに「ヒーロー登場ってね」的なタイミング。
「なにしてるの、薫」
「別に。ちょっとこの木が邪魔だっただけ」
片手で枯れ木をポイッと放り投げる薫さん。男前だ。
「そう…。ところで、今そこに隠れた奴らも全部始末しなきゃいけないのよね」
「さあ。どうでもいいんじゃない」
そして、すたすたと歩き始める薫さん。非常に男前です。ムープとフープが惚れるのも無理ないね。
さて、今週もベテランの演技を見せつけてくれた松井菜桜子さん。
(咲が想いっきり名前間違えたせいで、これからは「鼻水」呼ばわりされるのがちょっと可哀想ですが…)
うっかり口を滑らせ、満と薫の生存を明らかにしてくれました。
今回もムープとフープの協力奥義、通称『月風魔伝』のパワーを借りて松井菜桜子さんを撃退。 |
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※スミマセン。
昨日書いたこの日記で、松井菜桜子さんの名前を書き間違えてました(訂正済み)
つか、さっき気付いたんですけど、今までダークフォールの幹部って、
五行相生の順番で来てたのに、今回は『金』を飛ばして、いきなり『水』ですね。
…もしかして、『金』の幹部は既に出てきているのではないでしょうか?
んー、やっぱ咲が怪しい。だって、自分で輝く『金』の花なんて名乗ってるし。
多分アレだ。パートナーの舞に気付かれぬよう、自己催眠をかけてパン屋の娘を演じてるんだ。
んで、最終回前に自己催眠を解いて、自分の正体を高笑いと共に語るんだ。
「アーハッハ、実はあたしはダークフォールの『金』の幹部・アッケラカーンなり〜! ハンバーグカレーが大好きなり〜! チョココロネも大好きなり〜! 勉強は……苦手なり〜…(しょぼん)」
…………なんてわけないよな、やっぱり。
(7月24日追記)
●今週のプリキュアS☆S
第24話『ムープとフープ登場!って誰?』
いや、もう個人的にはムープでもフープでもスープーシャンでも何でも良いです。
こやつらが満・薫の復活の鍵となってくれるならば。
冒頭の日向姉妹のやり取りが悲しすぎる。
予想はしてたけど、みのりの口から「薫お姉さん? …って誰」
満も薫も最初から存在しなかったように修正された世界で、
咲と舞は自分たちの無力さに打ちのめされる。
しかし、
満と薫から託された奇跡の雫で<空の泉>を復活させた際、
フィーリア王女の口から、二人の生存が示唆される。
「全ては貴様らの働き次第だ。早急に残りの泉を取り戻してくれるならば、貴様らの想いを二人に届けてやってもよいぞ。くっくっく…」
フィーリア王女の話に気を取られている咲と舞の隙を突いて、謎の吸血ヒルが背後から忍び寄ってきた。
やつらの名は、ムープにフープ。人間の血なんて久々のご馳走だぜ!
いち早く逃げ出した王女に続いて、咲と舞も緑の郷へ脱出。だが、血に飢えたムープとフープの追跡は振り切れなかった。
空中を漂いながら、獲物の隙を窺うムープとフープ。
しかし、咲と舞のパートナーである人語を話すメトロイド・フラッピ&チョッピの説得を受け、義兄弟の杯を交わす。
そして、もう人間には手出ししないことを誓うのであった。めでたしめでたし。
そこへダークフォールの新たなる刺客、ミズ・シタターレが登場。
ちなみに中の人は松井菜桜子さん。声の仕事にかけては大ベテランです。
咲と舞がプリキュアに変身して闘うも、
二人の中の人は樹元オリエに榎本温子。ベテランの声優パワーにはかないません。
ウザイナーを召喚するまでもなく樹元オリエと榎本温子を圧倒する松井菜桜子さん。
その頃、ムープとフープの二匹は、ピンチのプリキュアを救うべく、そばに落ちていたパソコンを操作して、インターネット通販で強力な武具を買い寄せていた。
「クレジットカード番号入力!」
「決済完了!」
そして、宅急便で届いた新たな装備がプリキュアに力を与え、松井菜桜子さんを何とか撃退。
ちなみに新しい必殺技「プリキュアキリングデストロイヤーグレート巴投げスプラッシュ」は、
先代のように手を繋いで撃つ仕様にしてほしかったです……。
…………。
相っっっ変わらず更新遅くてスミマセン。
感想のメールやらいただけるたびに激しい慙愧の念に襲われ、
「かくなる上は、切腹をもって皆様に謝罪しよう!」と、
今日もまた自害を試みたわけですが、やはり失敗。
なぜならば、手にしているのが切腹用の短刀ではなく、PS2のコントローラーだから…。
いまだに「ウィザードリィXTH2」やってます。
つか、なぎほのひか志穂莉奈ユリコのマックスハート隊の旅はまだまだ終わりません。
あと、とりあえず見てきた映画の感想(↓)
●『時をかける少女』
つか、
この映画をキミは見たかぁぁぁッ!?
これが、これこそがニッポンのアニメーションなんだッ!
ブレイブストーリーなんざ帰れっ! ゲド戦記ごときは犬に食わせろっ!
つか、上映館数少な過ぎぃぃぃぃぃぃッッ!? 何故に?
まず、この映画の全体的な感想を一言で述べると、「秀作の中の秀作」
あの細田守氏が監督というだけあって、最初から最期に到るまで、
一個一個のシーンの積み重ね(映像、音楽共に)が非常に丁寧。
前半はテンポ良くストーリーを疾走させて、後半はシリアスに引き締めるっつーのは、
ワンピの劇場版『オマツリ男爵と秘密の島』の時と同じやね。
ストーリーは、原作の「時をかける少女」の…何年後の話なんですかね?
(原作は未読っス)
原作のヒロイン(この映画では『魔女おばさん』て呼ばれてる)がどういう風にタイムリープを使ってたのかは分かんないっスけど、
映画でのヒロインは、躍動的っていうか直情的っていうか衝動的っていうか……(笑)
前半はとにかくヒロインが過去に飛びまくって豪快にやりたい放題(笑)
つか、本当に体を張って時間を飛び越えてるっつーのがウケた。あんだけ物や壁に激突しまくったワリに怪我ひとつ無しって、プリキュア並みの耐久力かっ!
さんざんタイムリープの能力に天狗になって興じてたヒロインですが、
細田守氏が監督なので、もちろん後半の展開では…………。
とにかくヒロインが突っ走って、たった一粒の希望を太陽に変えてしまうクライマックスが最高。
この映画のキーワードはやっぱり
「行っけぇぇぇぇぇ―――――ッッッ!!!」かな。
鑑賞後も、名作に触れることの出来た心地良さが胸にジンジン響き渡ってました。
この映画マジで大好きだッ!
●『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』
ちなみに、猫塚鶉がこの夏一番期待してた映画がコレ。(たとえデ図ニー映画だとしても)
まぁ、もっともオレのこの夏一番の映画は『時をかける少女』に取られてしまったわけですが。
個人的には、ジャック・スパロウとエリザベスの再会のシーンで、
ジャックがエリザベスの姿見るなり「ラムを隠せっ」っていうシーンがツボだったんですけど、
劇場ではオレ以外誰もウケてなかった。
あと、またジャック・スパロウ、ティア・ダルマの家で何かくすねてませんでした?
サラリと流れてしまったシーンなのでよく分からなかったですけど。
(つか、オレの記憶違いかも知れん)
とにかくこの映画の面白さは、ジャック・スパロウ船長を演じるジョニー・デップの演技に尽きるんじゃないかと思う。
前半の脱走劇も面白かったけど、後半、箱にたどり着いてからのノリがやっぱサイコーだな。
みんな好き勝手放題やり始めるし、エリザベスなんかヤケを起こして砂投げてるし(笑)
……って、3に続くのね。来年が楽しみ。
●『サイレントヒル』
舞台となる霧に閉ざされた街サイレントヒルの出来は、素晴らしいの一言の尽きます。
雪の代わりに降り続ける灰、人の気配の死に絶えた街の風景、そして、うごめく異形。
単純なホラー作品というよりも、途中までは美術作品的に楽しめました。
ただ、あの人のラストがむかつく。アレはむご過ぎだろ。スクリーンのあいつらに向けて思わずバオウ・ザケルガ吐きそうになったじゃねーか。
●『ブレイブ・ストーリー』
実は、すっっっっっっっごく期待してたんですよ。
大好きな千羽由利子さんが作画監督だったので。
とにかく「可もなく不可もなく」という印象が強かったです。
『銀色の髪のアギト』よりは良かった。あと、『ゲド戦記』よりも多分マシっぽいですね。
それ以上の感想は……特に無いですね。
つか、
あのラストは、ワタルの願いが叶えられた事によって生じたバタフライ効果的なものって解釈でよろしいでしょうか? |
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